第24章 愛し、愛され
- 大野 side -
「ぁあにきぃ〜♡ずっとずっと、大好きっす!」
「あ、ありがとう…」
「僕も、翔くん大好きっ♡」
「おわっ!まっすー抱きつくなよっ」
「いーじゃないすか、減るもんじゃないしっ」
「増田だけずりぃ!俺もアニキに抱きつくっすっ」
「ちょ…お前ら苦しい…っ」
酒が進んだ後輩2人は主役の翔くんを真ん中に
ソファの上でまぁ当てつけかってくらい
イチャイチャしてる
それに困りながらも満更でもない顔してる翔くんにイライラが募ってきた
ダイニングテーブルに置かれた綺麗なバラの花束にも
本来なら感じることのない苛立ちしか感じない
バラの花束100本て!
プロポーズとかの時に贈るもんじゃねぇの⁉︎
上田も増田も…何考えてんだよっ
視線をソファに戻すとまだぎゅーぎゅー抱きしめてた
なんだよ…
俺だって翔くんとイチャイチャしてぇよ…
気持ちを払拭するかのように手元のグラスの酒を全部煽った
「おじさん、そんなとこで立ってないで
あっち行きましょうよ?」
ふらふらとした足取りでアイランドキッチンに背を預けて立つ俺の元へやってきたニノ
「…なに睨んでんです?」
お前が後輩呼んだからだろぉ…
少し憎らしく感じるニノをちょっとだけ睨んで
ボトルに残ってたワインを全部グラスに注いだ
いつもはさ?
誕生日会は嵐のメンバーだけでやって、
別日にそれぞれ後輩とか友人とか呼んでやってるのに…
だからこういうところ見たことがない俺は
免疫もないから余計に腹が立ってる気がする
軽く受けた俺も悪いけど…やっぱり腹立つっ!
グイッとワインをまた全部流し込むと
松潤が持ってきたワインをニノが開けて注いでくれた
「今日はやけに酒が進みますね?」
「……お祝いの日、だからな」
「…ですね。さ、飲みましょ?」
掲げられたグラスを合わせてカチンと鳴らす
グラスの向こう側に映ったニノの口元が変に角度がついて見えた気がするけど気にせずワインを流し込んだ
「ふふ、斗真ぁ…これ、美味いぞ?」
「マジ…?潤、食わせて?」
「ほら、あーん…♡」
「…ん♡うめぇ♡」
コの字ソファの右側では
斗真と松潤がイチャイチャしてるし
正面では上田と増田が
両サイドから翔くんの頬にチューしてやがるし‼︎
「……くそっ」
小さく悪態をついてまたワインを流し込む