第24章 愛し、愛され
「お邪魔しまーす!」
「今日はお呼び頂きありがとうございやす!」
誕生日会当日
自宅玄関先、2人でまっすーと上田を迎える
ニコニコ笑う2人とは対照的に
智くんの顔は少し困ってるように見えた
「ぉ、おお…上がっ…」
「これ!受け取ってくださいっすっ!!」
智くんが中へと誘導しようとした時
上田の背後に隠しきれてなかったものが
目の前にぐいっと押し出された
両手で受け止めたのは真っ赤なバラの花束
「アニキはやっぱ赤っすよねっ!」
「似合ってるよ、翔くん♡」
「100本のバラなんて初めて買ったっす!」
「僕たちからのプレゼントだよ♡」
戸惑う俺をよそに後輩2人はきゃっきゃとはしゃぐ
横に視線を移すとそこにいたはずの彼が居なくて
智くんはいつのまにかリビングへと続く扉の前で
俺たちを一瞥すると扉の向こうに消えていった
怒ってるんじゃないの、もぉ…
ニノぉ…大丈夫かよぉ〜…
ニノの案『おじさんを嫉妬させよう!大作戦』
後輩を呼ぶ
↓
後輩とイチャイチャする
↓
智くん嫉妬する
↓
その夜は燃える‼︎
ドヤ顔でそうなるはずって言ってたけどさぁ〜…
本気で智くん怒ったら…
智くん嫉妬する
↓
口聞いてくれない
…にならない!?
今更ながら軽く受けたことに後悔してきた…
「アニキ?どうしたんすか?」
「いや、なんでもない…さ、入って?」
少し頭痛を感じて立ち尽くす俺を不思議そうに覗き込んだ2人を連れてゆっくりリビングへと向かう
リビングではもう酒でデキあがりつつある
メンバーと斗真がいて
智くんはキッチンで新たなグラスとかを用意してた
「智くん、俺も手伝…」
「翔くんは主役なんだから座って座って!」
「え、ちょっ…」
智くんのもとへと進もうとした俺をまっすーは
強引にソファのど真ん中に座らせる
ニノは俺にウィンクして
うまく行ってるって言いたいんだろうけど……
恐る恐る、正面に視線を向けると
智くんとバチって視線が合って
目を細めてジトッと見つめられる
あれ、やっぱ怒ってるんじゃないの…⁉︎
智くんは無言で新たなグラスを後輩に渡した
「ほら、翔ちゃんもグラス持って?」
「櫻井翔のお誕生日にぃ!カンパーイ!」
「「「「「「カンパーイッッ」」」」」」
相葉くんに持たされたグラスに
伸びてきた6つのグラスが音を立てた