第24章 愛し、愛され
「…て感じで、どう?」
「それでうまくいくかなぁ?」
「うまくいくようにやるんだよぉ」
男3人顔を限界まで近づけてひそひそ話
ニノの無性に楽しんでる笑顔に
ほんの少し悪巧みが乗ってない?
なんて思いつつニノの案で進めることになって
サブの楽屋をあとにする
「はーっ…疲れたぁ」
「今日結構ハードだったよねぇ…」
ニノと相葉くんの後に続いて俺も楽屋に入る
楽屋奥に松潤と智くんがいて
智くんがなにかを鞄に押し込めてるのが見えた
「智くん…どうしたの?慌てて」
「な、な、な、なんでもねぇっ」
なんでもない反応じゃないじゃん
顔真っ赤だし、目泳いでる
「俺トイレ行ってくるっ」
近づく俺の前をすいっと通り抜けて楽屋を出て行った
…なんだよ……俺に言えないの?
「翔くん?どうしたの?眉毛垂れ下がってるよ?」
「なんでも、ない…」
心配してくれる松潤の前にあるソファに背を向けてどかっと座る
「ご機嫌ななめ?」
「いや、お疲れなんだよ」
「そうそう、今日の収録ハードだったから」
フォローしてくれるみんなの声を聞きながら
テーブルに投げ出してあったスマホを手にする
未読のメッセージ数が『3』となっていて
誰からだ?
タップするとグループLINEの画面が開いた
『アニキ〜っ!誕生日会やらないんすか!?』
『やりましょうよ〜!』
『僕も参加したいです〜』
少し前に作られた〝アニキ会〟グループ上で
上田と風磨とまっすーからメッセージがきていた
「翔ちゃ…お、これ…」
隣に来たニノが画面を覗くとまた悪巧みの笑みを浮かべる
「ちょうどいいじゃん…手間省けたね?」
「ま、まぁ…ね」
グループLINEに、決まってた俺の誕生日会の日時と場所を送信する
すぐに既読がついた
『了解っす!!楽しみにしてるっすっ!!』
「上田、返信早いねw」
「凄く慕ってくれてるからね」
談笑してると帰ってきた智くんは
いつも通りの表情だった
「おじさん、翔ちゃんの誕生日会さ!
後輩もくるけどいいよね?」
「え、誰くんの?」
「確定したのは上田。あとは…まだわかんない」
ニノから聞かされて智くんは
一瞬訝しげな表情になったけどすぐに了承された
うまくいくのかなぁ…
不安な気持ちでいっぱいの俺は、
ニノと松潤の含みのある笑みに気付かずにいた