第24章 愛し、愛され
「お疲れ様でしたっ」
「お疲れっしたっ」
VSの収録が無事終わる
スタッフさんに頭を下げてスタジオを後にして楽屋へ戻っていく
さっさと前を歩く智くんの背中を見ながら
重い足取りで後に続いた
「翔ちゃん、元気ないね?どうしたの??」
後ろをついて来てた相葉くんがひょいって顔を覗き込んで来た
「…ちょっと、ね」
「それってさ?おーちゃんのことぉ?」
出たよ…ミラクル相葉
ほんと、的を得てるときはすっごいよね
「あたり??」
「…あたり」
はぁ、とため息をつく俺の顔をさらに覗き込む
「悩み事なら話聞くよ?俺とニノで」
「俺がどうしたって?」
「あ、ニノぉ〜♪」
スタッフさんと談笑してたニノが
俺たちに追いついた
「翔ちゃんがね?
おーちゃんのことで悩んでるんだって」
「…へぇ?おじさんとのことで…ねぇ?」
先を歩く智くんに視線を移すから俺もつられてそっちを見る
猫背姿はすっと楽屋へと消えていった
「さっき楽屋でよそよそしかったし、
なにかあったんだろうとは思ってたけど」
「気づいてたの?」
「気づくよ…お通夜みたいな雰囲気出してたし」
俺、そんなに元気なかったの?f^_^;
ニノに腕を引かれてサブの楽屋に3人で入る
「…で?なにがあったの?」
「あった、って言うか…なんて言うか」
立てかけてあるパイプ椅子を出して腰掛ける
「相葉くんが、羨ましいなって」
「へ?俺っ?」
隣で耳を傾けてた相葉くんが過剰反応した
「ニノに、甘やかされてるから」
「俺は付き合ってやってるだけですけど?」
「ひど〜いっ!かずもノリノリじゃんっ」
「家以外でかず呼びすんなっつってんだろぉっ」
飛びついてきた相葉くんを
文句言いながら受け止めてる
比べても仕方のないものを比べるくらい
俺は寂しいんだな
やけに冷静な頭でそんなことを思った
「もぉやめろ、雅紀…
翔ちゃんはおじさんに、
甘やかされたいってこと?」
絡みつく腕をほどきながらニノが本題に戻した
「まぁ、うん…」
「どうせあの頑固おじさんのことだから、
禁欲でもしてんでしょ?」
よ、よくわかるな…
「と、言うことは。おじさんがしたくなるように
しむければいいってことだよね?」
ニノに小悪魔な笑みが浮かぶ
「俺に任せて♪」
「う、うん…」
一抹の不安を感じながらも俺は頷いた