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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第23章 君がいいんだ




「あー…疲れたっ!もう今日は終わりっ」


教科書をパンッと閉じて
僕の肩に頭を置いた智くん

さっきのお返しに柔らかな髪を撫でると
自然な上目遣いで僕を見つめてくる


ん〜…可愛い…♡


《雅紀さぁん…》
「……ん?」


やけに甘えた感じの声色に手が止まる

見上げる瞳がゆっくり閉じて
智くんの体に触れてた僕の腕が絡め取られた


《寝よ…?》


いつもなら1人でさっさとベッド行くのに…
歩くのも億劫なほど疲れたのかな?


腕を掴んだままの智くんを連れて寝室に移動して

2人並んでベッドに潜り込む


「おやすみ、智くん…」
「………」
「…?」


返事のない智くんを不思議に思ったけど
横向きに寝返りを打つとバシッと叩かれて


「さと…」
《もぉ!ニブチン!!》


慌てて逆に寝返りを打ち返す

智くんは眉間にしわ寄せて
ほっぺを膨らませてて

…目元がキラキラしてる?


え!?えっ??
泣きそうになってる!?
なんで?
僕なんかしたっけ…?!

訳がわからずパニクりだした僕に
たまりかねたのか智くんが思いっきり僕の前にずいっと体を寄せてきて


背中に回された手がスウェットを強く掴んだ


《…エッチ、しよって言ってるの……》



胸元に頬をすり寄せる智くんからの急なお誘いに体が固まった


「さ、とし…くん?いま…
え、えっち…って、…いたいいたいっ!」


背中の薄い肉をつまみあげられて
固まってた体の硬直が解けた


2年もプラトニックに過ごしてきたのに、なんで急に…


「プレゼント用意するの忘れてた、から…」


パッて体を離して
ベッドの淵まで移動しながら聞こえた声は
わかりやすいくらいうわずってた


影を潜めてたきゅんがまたぶわーって湧いてきて


「智くん…いい、の…?」


耳まで真っ赤にして
丸まってる体を後ろから包み込むと

可愛い君は静かに頷いた




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