第23章 君がいいんだ
「どうしたの?なんで顔赤いの??」
「な、なんでもないっ!
僕チキンとケーキ取ってくるっ!」
だだだっと階段を駆け下りて
あらかじめ買っておいたチキンとチョコケーキ、
ジュースと取り皿、フォークもトレーに乗せて
ちょっとうるさい心臓を落ち着かせるため
大きく息を吸って深く吐いた
も〜…つ、つがいとか早いよ…
智くん未成年だからね!?
まだチューしただけだからね!?
雅を呼んだことをちょっとだけ後悔しつつ
頬を軽く叩くとトレーを持って階段を上る
部屋に戻るとしれっと雅がクッションで寛いでて
智くんは僕を見るなりにこって笑って
僕の手にあるものを見ると目を輝かせた
骨つきチキンを渡すと美味しいとパクついて
チキンに満足した智くんにケーキを渡すとそれも綺麗に平らげて
「ご馳走さま!美味しかった…♪あ、そうだ…」
脱いだコートの横に置いてた紙袋を僕に差し出してきた
「これ、おばちゃんが持っていけってくれたの…
中身見てないんだけど、飲み物、かなぁ?」
さっき腕にかけてた紙袋…
受け取って中に入ってる包装紙を開ける
「…!!」
軽く開けたものを慌てて背中に隠す
「さ、智くん…?
これ渡された時、おばさんになんか言われた…?」
「〝彼氏の家行くなら持っていきなさい〟って…
それだけ、言われたけど?」
か、彼氏…/////
その言葉に胸が熱くなるけど
もぉ…おばさんお節介だなっ
ゴ、ゴムとローションって…/////
心の中で悪態をつく僕を
小首を傾げて見つめる智くんは本当に中身を知らないようだ…
「あ、智くんっ」
ぼーっとしてたら背中に隠したものをひょいって取られて
それを確認した智くんは……固まった
智くんの手からぽろりと落ちたモノを雅が見ると
少し空いてた扉から静かに部屋を出て行く
雅ぃ〜…そんな空気読むなよぉお〜〜……
てゆーか!なんでお前知ってるの!?
このモノの用途…っ
家族もいない、2人(と1匹)だけの家
おあつらえ向きにあるゴムとローション…
いやが応にもバクバクしてくる心臓
ど、どうしたものか……