第22章 お山夫婦の1日
「あーっ!釣った釣った!大満足!」
陸に戻ってくるなり大きく伸びをして嬉しそうに大きな声を上げる智くん
「大漁に釣れて良かったね〜」
「ほんと!今日みたいに翔くん来てくれたら大漁だったりして♡ね、次も一緒に釣りしようよ?」
「ほんと?本当に、俺来ていいの?」
俺の言葉に前を歩く智くんが振り返って首を傾げる
「俺、邪魔じゃなかった?」
「邪魔なわけないじゃん…翔くんと一緒だったから俺もむちゃくちゃ楽しかったよ?」
ゆっくり近づいて来た智くんの腕の中に引き込まれて優しく包み込むように抱き締められる
「翔くん、俺のために1日時間使ってくれてありがと…大好き」
「俺も…大好き」
優しく見つめられる智くんの目が閉じたかと思うと唇に智くんの柔らかい唇が重なった
「…帰ろっか…」
「うん…」
駐車場に止めたままのレンタカーへとたどり着いて
荷物を入れるために後ろのトランクを開けた