第19章 『あなたに夢中』
力強く俺を抱きしめる潤くんの腕は少し震えてて
背中に手を回して震える体を抱きしめるとやっと、潤くんの本音が漏れた
「……カズが、好きすぎて…俺が暴走しそうだったから…距離を、取ってただけなんだ…」
「俺が嫌になった、とかじゃない…?」
「それは絶対にないっ…」
さっきよりも強く感じる潤くんの体温
トクトクと速く鳴る鼓動
俺の鼓動も呼応するかのように速くなっていく
「…好きだよ、カズ…好きっ…」
「俺も、潤くんが好きだよ…っ…何されても、いいくらい好き…」
俺の言葉にパッと離される体
俺を見つめる瞳はいつもの自信に満ちたものではなくてユラユラと揺らめいていた
その揺らめきが…止まる
「……っ…カ、ズ…」
「嘘じゃないよ?俺…潤くんになら全部、あげる…」
するりと肩から浴衣を落とし、上半身を自らの手で露わにさせるとそれに釘付けになる漆黒の瞳
「…暴走しても、いいから……潤くんだけのものにして…?それが、俺の今一番の望みだよ……」
瞬きもせず固まってる彼の唇にそっと自分のを重ねた