第19章 『あなたに夢中』
「……ごめん」
「…謝ってなんか、欲しくないんですけど」
謝られたら、『仕事仲間に戻ろう』って言われてるみたいで嫌だ
「…ごめん」
「だから!謝るのはいらないから…ちゃんと何か言いたいこととかあるなら言ってよ…迷惑なら迷惑って言ってくれたらいい…」
「迷惑だなんて…思ってない」
膝の上で両手をぎゅっと握りしめてそれを見つめながら絞り出すような声
何かまだ躊躇ってるかのような態度…
立ち上がって、部屋を後にする
わからせてやる、俺がどんだけ潤くんのこと好きか…!
出て行く間際、潤くんが俺の名前を呼んだような気がしたけど振り返らず、駐車場まで行く
トランクに忍ばせていたそれを手にとって、来た道を戻る
部屋に入るとまだ俯いてた彼
視線のその先に手元にあった花を置いた
視線に入ったそれを見て、ようやく顔を上げてくれた
「……これ…」
「潤くんなら、この意味…わかるでしょ?」
俺の誕生日に花言葉で告白してくれた潤くんなら
この花言葉も、伝わる
「バラが6本の花言葉は…なんですか?」
俺の問いかけにゆっくり口が動く
「……『あなたに夢中』、と…『お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう』…」
俺の心からの気持ちを言葉にした潤くんの腕の中に、抱き締められた