第18章 イケナイ教育
…小さく、乾いた音が聞こえる
扉をノックしているような音に聞こえたけど、確信もないしまだ覚醒しきっていない頭ではそれ以上考える気にもならなくて
布団の中でモゾモゾしてるとふいに感じた軽い揺れ
「翔くん…起きて?」
その声に飛び起きる
「…うわっ!そんな急に起きないでよ…驚いたっ」
「あ、ご、ごめん…どう?調子…」
「うん、おかげでよくなった…ありがと、翔くん」
ほわん、と花が開くような柔らかい笑みに心臓をまた射抜かれて俺の真面目くん部分は崩壊した
あぁあ〜…////
かわいすぎるぅ〜…
智くん、俺のお嫁さんになって下さいぃ…
頭の中お花畑になってる俺を少し不思議に見つめる智くんも可愛いぃ〜♡
「え、と…ご飯の準備できたけど…起きてすぐ、食べられる?」
「あ、もうそんな時間っ?」
ベッドサイドに置いてる時計は20時を過ぎていた
「ごめん、起こしてくれたら手伝ったのに…」
「いいよ〜…餃子カンタンだし。食べられそうなら、ご飯にしよ〜」
智くんに続いて階段を降りる
ダイニングテーブルには焼く前の餃子が大量に置いてあった
真ん中には大きめのホットプレート
「…焼きながら食べるスタイル?」
「うん、父ちゃんと餃子食べる時いつもこうしてたんだ〜…洗い物少なくて済むでしょ?」
艶々のご飯と具沢山の味噌汁が並ぶと腰掛ける
「じゃ、焼き始めるね〜」
ホットプレートに並べられていく餃子
焼きあがるまでテーブルにあったカクテキをひとつ、口に運ぶ
「あ、それどう…?餃子に合うかなーと思って、作ってみたんだけど」
「え、コレも手作りっ!?」
「…うん、レシピ見ながら初めて作ったんだけど…どう?」
「…むちゃくちゃ美味いよ、コレっ」
「そか、よかった…」
俺が寝てる間にここまでやってくれてたなんて…なんて健気で可愛いんだ智くんっ……♡♡♡
「…そんなに急いで食べなくても、誰も取ったりしないよ(笑)」
カクテキを食べきる頃には餃子が食べ頃を迎えて
「焼けたよ〜」
「いただきますっ♪」
焼きたて手作り餃子を頬張る
「ん〜まいっ!」
野菜多めで体に優しい味っ♡
「良かった〜…」
結局、用意してくれた餃子全て綺麗に平らげた