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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第18章 イケナイ教育




義父さんと智くんの荷物は思っていたよりも少なくて、男3人でやり始めたらあっという間に終わった


「お疲れ様、はいみんなアイスどうぞ〜」


智くんの部屋でフローリングに腰を下ろして、母さんが持ってきてくれたアイスを受け取る


義父さんと母さんは2人して一階に降りて行ったから2人きりでアイスを口にした


シャーベットアイスのチューブを美味そうに咥えてる智くん


その姿にまたドキドキする


それを誤魔化す為に話しかけた


「ねぇ智くん…歳、いくつ?」


14歳くらいかな…弟出来るの、嬉しいな…


「…?17ですけど…」


一瞬思考回路が停止する


「え?じゅ、じゅうなな…?」


「…?はい」


「お、俺の一個上っ!?」


「え、俺より下っ!?」


お互い顔を見合わせて指を指し合い驚く


「17なんてうっそだぁ!ちっこいし、細っこいし、顔も幼いじゃんっ!」


「ううう、うっせぇ!気にしてることずばずば言うんじゃねぇっ!俺はちゃんと17歳だ!」


そう言ってカバンの中から学生証を取り出し、俺に突きつけてきた


都立高校二年生…


学生証に写る写真は幼いけど、確かにそう書いてあった


「ほ、ほんとだ…」


「ほら見ろっ!俺の方が上ならもう敬語もいいよなっ、あー敬語堅苦しくて苦手だから、助かったぁ…」


そう言って、手元に残ってたシャーベットアイスを全部口に流していくのを俺は呆然と見ていた


「翔くんの学生証も見せろや…」


言われるがまま、胸ポケットの学生証を見せる


「げっ!超有名私立高じゃん…翔くん頭いいんだな〜…」


俺が年下だと分かった途端、元気に話し出す智くん


もしかしてさっきまで俺に緊張してたのかな…今は意気揚々としていた


「ま、これからよろしくね…翔くん」


「え、あ、ああ…うん、こちらこそよろしく…に、兄さん」


返してくれた学生証をポケットに戻しながら、言い慣れない単語に少し照れる


「なんかソレこそばゆいな…呼び捨てでいいよ」


「さすがにそれはちょっと…じゃ、智くん…でいい?」


うん、と静かに頷いて手を差し出してきたから握手をした


手もちっさくて可愛いな…と思ってたら


「翔〜、智く〜ん、降りてきて〜」


下から声掛けてきた母さんの声に2人して階段を降りて行った

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