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台風のちに快晴、そして虹 【気象系BL】

第16章 夏男はご立腹





体を撫で回していた手でシャツをたくし上げようとした時、俺の手を止めてきた


「…翔?」


「……俺が、してあげる…」


上半身を起こしたかと思うと後ろ向きに倒されていつもと違う景色に一瞬戸惑う


翔越しに見える天井に気を取られてるとふっと暗くなる視界


「…っ、ん…っん…」


さっきの触れるだけとは違う、深くて熱いキス


翔がする初めてのそれは少したどたどしいけど必死さが伝わってきて


心の奥底に残っていた怒りの感情は完全にかき消された


「んっ、は、ぁ…っ」


「翔…嬉しい、ありがとう…」


あがる息を整えてる愛しい彼の頬に触れて微笑めば瞳を細めて微笑み返してくれる


「まだ…見せてない俺を…潤にだけ、見せてあげる……」


そう言うと耳朶を沿うように舌を這わせてきて


「っ、ん…っ、はぁ…」


自然とビクリ、と大きく揺れる俺の体


耳に尖らせた舌を這わしながら俺のシャツを首元までたくし上げられてそこで少し冷静になる


「ちょ、ちょっと待って、翔…っ、俺が下になんのっ?」


確かに、翔が俺を抱く姿というのは見たことないけど…


まだソッチの経験はない俺は不安と期待とが入り混じった感情で翔を見上げた


「…俺…潤に抱かれるの好きだから、そっちをする気はないけど…潤は、俺に抱いて欲しい…?」


首元で留まっていたシャツがゆっくり剥がされてベッドの下に落ちる乾いた音がして


胸元の飾りが翔の綺麗な指先で摘まれる


「っ、や…俺は…翔を、抱きたい…」


「ん、良かった…」


空いた方の飾りに優しく唇が触れたかと思うと温かい口内に含まれて転がされる


初めて体に駆け抜けたぞわぞわと総毛立つような感覚に背が弓なりに反れる


「っ、あ…しょぉ…っ…」


「気持ちい…?」


「っあ!…そこで…喋るな…ぁ…」


硬い歯が敏感な尖りをふいに引っ掻くからシーツの上をずり上がろうとするけど


「ダメ…逃げないで…潤のこと、気持ちよくしてる俺をちゃんと、見てて…」


肩口に添えられた手で体を抑えられ逃げ場をなくした俺は翔がゆっくり肌に顔を近づけていくのをじっと見つめて目に焼き付けようとする


今度は胸元から腹筋、臍へと舌を這わしていく翔


その顔は今迄見たこともない妖艶で欲を露わにした顔つきになっていた



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