第13章 特別な時間を君に
「ここ、なのか…?」
たどり着いた先、ガラス張りの扉をゆっくり開ける
いつも、という訳ではないがここ……
バスルームは翔さんと2人で寛ぐひとときの1つ
ある時、お互い疲れ切って帰ってきて1人ずつ入るより2人で一緒に入っちゃえば眠るまでの時間短縮になるし…ということがきっかけで共に入ることが多くなった
最初の頃こそ、慣れなくて恥ずかしかったけど今ではもう生活の一部みたいになっている翔さんとの時間
たま〜に、暴走してここで襲われるのだけはカンベンして欲しいけど…
今までのことを振り返っていると本来の趣旨をはっと思い出す
「そうだ、コースター…どこだろ…」
シャンプーなどのボトルを入れてるカゴから、プラスチック製のイスから、隠せそうなところをひっくり返して見て回るも
「……ない」
どこにもなかった
え〜…ここじゃない、のか…
見落としがないか再度、隠せそうなところは全部見て回るもなくて
……行き詰まってしまった
「ここ以上に過ごす時間が長い場所……って、どこだ…?」
普段の生活を思い返していく
どれだけ忙しくても、同じベッドで寝て、起きて……
そこで気付く
俺と一緒にいる時間が長い場所、って…
「え、まさか……寝室…?」
口にすると同時に寝室へと移動する
急ぎ足で入った寝室
薄暗いその部屋の電気をつけると
「……あ、った…」
隠してある、と書いてあったのにコースターは布団の上、わかりやすいところに置かれていた
近づき、それを見下ろすと
〝ここまで、付き合ってくれてありがとう。
ゲーム好きなかずに、少しでも楽しい時間を演出したくて考えてやってみました。楽しんでもらえたかな?
コースター探しはこれで最後なんだけど、最後にもう1つだけ…
5つのコースター全てを手元に揃えたら、下に書いてある通りに並べ替えてみてください〟
今までと違い、文章が表になるように置かれていたコースターを手にして残り4枚を置いてきたリビングへと向かう