第13章 特別な時間を君に
- 二宮 side -
すぐに着いた台所にはコルクコースターが置いてあった
「今度は紫のペンで書いた【U】、か…」
コースターをひっくり返すとまた新たな指令文
〝なぞなぞです!
『め、はな、は、はあるけど、くち、みみはない、これなーんだ?』
ヒント … 答えはリビングにあるもの〟
な、なぞなぞと来たか……
うーん…目と鼻と歯はあるけど?口と耳がない……?
え、そんなの………
自分の顔でその状態を想像してみる
「…バケモンじゃん(汗)」
その時手元のスマホがまた鳴って
「……あ、翔さん…」
画面を見るとさっき開いた画面のまんまで
さっきLINEくれたの翔さんだったのか…
解読に必死になってて全く気付いてなかった
一番最後に送られたメッセージ『〝は〟は白くない』というものを見てさらに頭が固まる
白くない〝は〟…ってなんだ?
手元から目線を上げてヒントのリビングを一瞥する
そこは普段と変わらないものたちだけで
いつもと違うといえば翔さんが今日のためにだろうか?
珍しく物がきちんと片付けられていて、いつもは少し狭く感じるリビングが広く感じるくらいだ
観葉植物も綺麗に手入れされていて…
「……?」
〝め〟と〝はな〟と〝は〟がある……
「〝芽〟と〝花〟と〝葉〟……!植物か!」
観葉植物の鉢を持ち上げたりして見て回ると壁に寄り添うようにあった一番大きな観葉植物の鉢の裏側にコースターが貼り付けてあった
「今度は青で書かれたアルファベットの【I】、か……」
さて、次は何が書いてあるんだろう
弾む心のままに手にしたコースターを裏返した