第13章 特別な時間を君に

…なんだろう、この数字と矢印の組み合わせ


ヒントの〝今日１番音を発したもの〟っていうのもなんなのか…


ひとまず、トイレから出て廊下に戻り壁に背を預けた


コースターの裏の、指令文とずっとにらめっこする


４に濁点が付いてる、ってなんだ？


４……『し』？『し』に濁点で『じ』ってこと、かな？？？


１の左矢印、っていうのもなにがなんだか……


いちの左……『い』？


考えついたパターンで他のも解読しようと試みるけど


「……だめだ…」


２つ目以降のものが考えついたパターンでは解読できない


ということは、この考え方は違う、ってことだよな…


また振り出しに戻って考え込んでいると何処からかLINEの通知音が聞こえた


もう、誰だよこの忙しい時に〜っ


帰ってきた時廊下に放置していた俺のカバンの中から鳴ったそのスマホを取り出す


「……あ！」


もしかして！


指令文のヒントをもう一度見る


〝かずの持ち物で一番音を発したもの〟


「これだ！」


手元のスマホがそのヒントを示すものだと気づく


と、いうことは…


LINE画面を開いてキーパッドを開く


数字表記にすると左上から１２３、その下に４５６、またその下に７８９と続いてて


その配置を頭に記憶させて、キーパッドをかな表記に変えてコースターの指令文通りに指を動かしていく


たぶん、これで解けるはず…！


確信に近いものを感じながらゆっくり、確実に指を動かす


４に濁点………『だ』


１の←………『い』


４の↓に濁点………『ど』


２の↓………『こ』


９の↓……『ろ』


５の←……『に』


１の←………『い』


２の→……『け』


〝だいどころにいけ〟


「台所に行け…これだ！！！」


解読できて嬉しくなった俺は少し駆け足で台所に向かった