第13章 特別な時間を君に
2つ目のピースは1つ目の2つ上にある真ん中のピースを引き抜いた
けど、それもハズレで…
「崩さずに、って…これ、見つけられなかったら完全に崩しちゃうやつだな…」
口にした言葉にふと引っかかった
ジェンガはもともと崩さないようにしてやるゲームなのに、『崩さずに』とわざわざ書いてあるという事は……もしかして『崩さずに取れるところにあるよ』ってことかも……?
下の方ばかり見ていたけど、上の方に目線を移してさっき自分が置いたピースのその下の真ん中をゆっくり引き抜いて見ると
「………あった!」
当たりのピースを見つけた
「もぉ〜…俺が翔さんの意図を汲み取ってなかったら時間掛かるやつじゃん、これ(笑)」
…あ、時間潰しに考えてくれたんだから時間掛かってもそれはそれで良かったのかな…
「ま、いっか」
手元のジェンガに書かれてある指令を読む
「〝トイレに行って、隠してあるコルクのコースターを探せ!その裏に次の指令があり!〟…か」
なんか、一時期自分で仕掛けてやっていた宝探しゲームみたいで楽しいな
ふふ、これは翔さんが帰って来るまで本当に退屈しなさそうだ
立ち上がってすぐそばのトイレのドアを開けて中をゆっくり探す
隠しやすそうなとこ…
「ペーパーホルダーとかベタだけどあるかな?」
木箱のペーパーホルダーを開けて全部出してみるけど……ない
「ん〜?どこだっ?」
少し上に目線を上げて壁に備え付けてある棚を見上げる
「もしかして、こことか…?」
トイレの上に乗っかってその棚を覗くと
「あ、あった!!」
棚の奥の方にある、コルクコースターを手を伸ばして掴んだ
トイレから降りてそのコースターを確認すると、アルファベットの【O】が緑色のペンで書かれていた
「…これ、なんかの意味あんのかな…?」
くるり、とひっくり返して裏を見ると次の指令文
〝(4゛)(1←)(4↓゛)(2↓)(9↓)(5←)(1←)(2→)
カッコ内のものを解読せよ。
ヒント … 今日かずの持ち物で一番音を発したものがあれば解けるよ! 〟