第12章 自由で、天然で、でも………
「…仲直り、出来そう?」
雅紀がやってきた後からリビングに戻ってきたリーダーが腕組みをしながら穏やかな表情でそう言ってくれて
「……うん、ありがと…リーダー…」
雅紀は未だ溢れる涙をしゃくっててその震える背中を空いたままだった俺の手で優しくさすると体が解放されて
リーダーに頭を下げて2人で部屋を後にした
マンションを降りるエレベーターの中、ずっと握られた手は温かくて
しょうもない、俺のちっぽけな感情で雅紀を傷つけちゃったな…
謝罪の言葉の代わりにその温かい手をきゅっと握り返したら
さっきまで涙でくしゃくしゃだった顔が柔らかく微笑んだ
エレベーターが最下層に着き、雅紀の車に乗り込んで走り出したらまた手を握ってくれて
大きな幹線道路に差し掛かった時、目に映った空
その空は曇ったままだったけど、俺の心の中を表すかのように微かな日差しが差し込んでいた