第12章 自由で、天然で、でも………
ん、と無言で突きつけられたリーダーのスマホ
リーダーの口元がパクパクと動いて〝ちゃんと話しあいしな?〟と動いたように見えた
自分のスマホをテーブルに戻して、リーダーのスマホを受け取り、スピーカーをオフにして耳に当てる
電話口では雅紀がいまだ、グスグス言ってて
「……雅紀?」
『えっ?か、かずっ?』
電話に俺が出るなんて思ってもなかったのかとても慌てたけど
『良かったぁ〜………居たぁ…』
安堵の深いため息をつきながらそう言葉を漏らした
もしかして…電話繋がらない間あちこち探し回ったり、いろんな人に電話しまくったりして俺を探してくれていたのかな
そう思うと、心の中の曇った感情がどんどん晴れていく…
『今、どこにいるのっ?』
「……リーダーの、家…」
『すぐ行くっ!待ってて!』
そう言って電話が切れたかと思うと20分程でインターフォンが鳴ってドタドタと大きな音を立てて足音が近づいてきた
バンッ!と力強く開かれたリビングのドアのところでは少し息のあがった雅紀がいて
歩いてきた勢いのままソファに座る俺を抱きしめにきた
近づいてくる雅紀の顔は今にも泣き出しそうなほど崩れてて
「ごめん、ごめんね…かず…」
ぎゅう、と両腕で力いっぱい抱きしめてくるその腕の中で聞いた雅紀の声は涙声に変わっていた