第11章 風が山を愛するとき
- 櫻井 side -
「なぁ、翔くん…俺ら以外の3人、なんかおかしくない?」
「おかしいって、なにが?」
早めに終わった仕事のあと、久々に智くんとマイホームでサシ飲みしていると徐ろにそう口を開いた
「俺の気のせいかな〜……この前の収録の時さ?飢えた狼みたいな目……してなかった?」
「相変わらず、俺たち全員ハードワークだからなぁ…多少オコなんじゃない?」
「いや、そんな感じじゃなくて……なんつーか…う〜ん……オスみたいな目つき…」
酔っ払ってるのかうつらな瞳で遠くを見ながら呟く
「いや、俺らオスだから(笑)」
「そういう意味じゃなくて〜……なんか………さ………」
グラスを握りしめたまま下がっていく頭
「あれ、智く〜ん?」
下から顔を覗き込むと器用に眠っていた
「もう、こりゃ起きないな…」
ソファの端っこにあるブランケットを智くんの肩に優しく掛ける
「智くんの言葉が気になるけど、俺も寝よっと……」
明日は体動かす収録だからな…
リビングに智くんを置いて俺は寝室で休んだ