第10章 愛を叫べ!
智の差した先
所謂ラブホテルに車を停め、駐車場から直結に繋がる部屋へと2人でなだれ込むように入る
靴も乱雑に脱ぎ捨て、一つ扉を開くとすぐそこには大きなベッドで
俺より先に部屋に入っていた智をそのベッドへと沈める
俺を見上げる瞳はこのあとのことに期待しているようで
自らの手でシャツをたくし上げて肌を晒した
「かずっ…早く…シて…っ」
自ら強請るようなことなんて今まで一度もなかったからまさかのおねだりがかなりの破壊力で
さっきまで抑え込んでいた欲が爆発しそうになったけどまだグッと抑えた
「お前な…っ…即物的すぎだろ…っ」
「な、んで…?嫌…?」
すぐに智の要望に乗っからなかった俺を不安げに見つめる
「そうじゃなくてっ!ちゃんと愛したいだけだから…そんな泣きそうな顔すんな…」
欲のまま求めるのもいいかもしれないけどついこの間、不安にさせた智に俺の気持ちを込めて接したくて
頬に触れてゆっくりキスを交わす
何度となく交わしてきたキス
だけど今日のキスは初めて心が通った時のように純粋に
〝好きだよ〟
その気持ちをたくさん込めて交わす
俺の気持ちが伝わったのかすぐに離れたその唇の口角は上がっていて
「かず…っ…」
「愛してるよ…智…」
「うん…っ…俺も…愛してる…っ」
そう言って伸びてきた手が首の後ろに添えられると智からも優しくて気持ちのこもったキスが送られた