第10章 愛を叫べ!
- 二宮 side -
智と付き合ってもう五年、同棲して四年
付き合いが長いとどうも気が緩んじゃってデートの約束をしたその日、俺は先に起きたのに準備もせず1人ゲームに勤しんでいた
しばらくして起きがけのいつもより気の抜けた声で俺に声をかけてくる恋人
ちょうど大事なところで声を掛けられたから聞こえていたのに返事ができなかった
それに不満だらけの声で普段大きな声をあまり出さない智が声を荒げた
イラついてるのはわかってる
でも俺も今大事なとこなんだよね
だから少し不機嫌に智を見据えると少し怖気付いた智の顔があった
グッと堪えたようにしてから予定通り出掛けるために準備して、と言われるけど今本当にちょうどいいとこでやめられないんだよね
このボス攻略するまで待ってくんねーかな…
あ、それか今日天気崩れるって言ってたから今度にしてもらおうかな
俺の気持ちを告げると不貞腐れてどこか行ってしまった
それが気になって結局ゲーム上の俺の分身は倒れて画面上に大きくゲームオーバーの文字
智を無碍にした報いかな
反省してゲームを終え寝室に行くと、そこには頭まで布団を被った智がいた
「智…寝たの?」
ベッドに腰掛けて膨らみに手を添えるとゴソゴソと動く
「ごめん…俺が悪かった……デート行こう?」
「もういい…行きたくない……」
やばい、拗ねちゃった…
「本当にごめん…」
「……」
ポンポンと布団越しに優しく智の体を触るもなんの反応も帰ってこない
結局、その日は拗ねた智が布団から出てこないまま休日が終わった