第9章 逢いたくて…
ーーーーー数日後
翔ちゃんは海外へ行ってしまったあの日から毎日、時間さえあればかかさず電話をくれる
今日こんなことあったよ〜とか
珍しいもの見つけた〜とか
他愛もない話だけだけどマメに声を聞かせてくれる
それだけでだいぶ気持ちは安定していたのに今日、ロケの最中にゲストの方から出た翔ちゃんの名前にかなり動揺した
安定していたはずの心がそれだけで揺らいじゃって楽しかったバイクロケが終わると仕事が終わった解放感からか、もう俺の気持ちはグラグラになっていた
「相葉さん?…自宅までお送りしますから帰りましょう……?」
ロケが終わって立ち尽くしていた俺
優しく声を掛けてくれたマネージャーの言葉に甘えて自宅まで送ってもらう
部屋に入っても電気が付いてなくて…
「翔ちゃん……」
居ない人の名前をなぜか呼んでしまう
返事なんて返ってこないのに、なんで呼んじゃったんだよ…
「余計に寂しくなってきた…」