第14章 心の行方
❁❁❁ 環side ❁❁❁
ヤバイ・・・マジでヤバイ・・・
今日は学校終わったらすぐに仕事に向かわなきゃ行けなかったのに、もうこんな時間じゃん?!
ちゃんといつもの様に手にも書いてたのに、いつの間にか消えてたし!
とにかく急がねぇと、そーちゃんに怒られる!!
最寄り駅まで死ぬほど走って、電車乗り継いで・・・えっと・・・テレビ局あんのってどっちだっけ?!
いつもは前を歩くそーちゃんの後ろをついて歩いてたから、道が・・・どっちなのか分かんねぇよ!
「あっ!!アイドリッシュセブンの環だ!あの、雑誌読んだんですけど妹さん探してるのって本当ですか?!」
「私もその雑誌読んだよ!早く妹さんが見つかるといいね!」
「お、おぉ、ありがとな!ってか、そこどけって・・・遅れたら、そーちゃんに怒られるだろ」
ヤマさんはファンは大事にしろって言ってっけど、いまはそんなの言ってる場合じゃねぇよ!
「そーちゃんって読んでるんだ?かわいい!」
「いいからそこどけって!」
キャーキャーと騒ぐファンの子を押しのけて、やっと駅から外に出る。
えっと・・・どっちだっけ・・・
確かそーちゃんといる時は・・・あっちの、じゃなくて・・・
なにかわかりやすい目印とかなかったっけ?!と大きな建物を見るために周りを見回してみる。
「あの・・・」
「いま急いでんの!あ・・・そだ、テレビ局ってどっち行けばいいかアンタ分かるか?!」
振り向きながら思わず聞けば、声を掛けてきた女の子が俺をジッと見つめてくる。
「あの私・・・妹さんの居場所、知ってます」
「え・・・」
理の・・・居場所・・・?
「いまから時間ありますか?」
「時間は・・・ない、けど・・・」
でも、理の居場所を知ってるってなら・・・
「少し、くらいなら」
「じゃあ、行きましょうか・・・こっちです・・・」
そーちゃんに心の中でなるべく早く行くからと謝りながら、俺はその女の子の後をついて行った。
どれだけ歩いたのか、なんか駅からどんどん離れていく気がして、建物を曲がったところで、ふと立ち止まる。
「なぁ、どこまで行くんだよ。早く教えて欲しいんだけど」
「そうですね・・・あの、写真撮ってもいいですか?」
俺が言えば、なんかカバンをゴソゴソしながら写真撮りたいとか言うし・・・なんなんだよ。