第14章 心の行方
❁❁❁ 三月side ❁❁❁
「はぁっ?!なんだよそれ!!」
一織から聞いた話に、思わず大声を出してしまう。
大「ミツ、とりあえずイチの話を聞こう。で、その話は愛聖本人がそう言ったのか?」
一「えぇ。私と四葉さんが学校から帰ったら、ちょうどコーヒー落とした所だからと一緒にどうかって誘われて、その時に四葉さんが今日はオフなのか?と聞いた流れで」
あんなに仕事決まったって嬉しそうにしてたのに、なんでだよ。
夕方の話を淡々と話し出す一織に耳を傾けながら、オーディションに合格したと喜んでいた愛聖の顔が頭の中をチラついていた。
陸「だけどさ、そんな話の流れで愛聖さんがオレたちと同じ事務所だからって理由で降ろされただなんて言うかな・・・」
陸が複雑な表情を見せながら一織を伺う。
一「最初は降ろされた理由はスポンサーの親元の意向だと言ってましたよ。でも、私たちアイドリッシュセブンと同じ理由がたて続くのはおかしいでしょう?だから、詰めました」
大「いや、詰めましたって・・・イチ、お前さん愛聖に問い詰めたのか?」
大和さんの言葉に、一織が本気モードで尋問みたいな事をしたら、誰だってあっさり自白するよなぁ・・・なんて眉を寄せる。
ナ「ワタシ見ました!イオリ、マリーに・・・床ドンしてました・・・」
一「なっ・・・違いますよ!そんな事はしてません」
ナ「してましたよ?確かあの時、ワタシはここなを見ていて喉が乾いたので部屋を出ました。するとガタン!と大きな音がしてマリーの声が聞こえたのデス」
大「だからってそれが床ドンとやらと関係があるのか?」
ナ「YES・・・慌ててリビングのドア開けたら、倒れたイスの横でマリーをイオリが・・・腕に閉じ込めてました」
・・・マジかよ、おい。
一「六弥さん!誤解を招く言い方はやめて下さい!あれはなかなか本当の理由を言おうとしない佐伯さんに歩み寄ったら、彼女が仰け反って椅子が倒れて。それで危ない!と腕を引こうとしたら私も同時に倒れ込んだだけです」
大「へぇ・・・つまり、イチが口を割らせようと愛聖に迫ったところ拒絶されて、いわゆるラッキーなんちゃら的なやつか・・・」
一「二階堂さんも勝手な想像で変な納得しないで下さい」