第3章 新しい環境
『私、なんか変なこと言った?』
万理に小さく聞けば、曖昧な笑みを返された。
ナ「つまり、マリーとバンリは熱い夜を···」
大「万理さんも隅に置けないなぁ」
深刻な顔をするナギさんとニヤリと笑う二階堂さんを交互に見て、まだ誤解が解けないんだと思った私は更に話を続けた。
『だから、そういうのじゃないんですって。万理が優しいって言うのは、えっと、ご飯作ってくれたり、シャワーの後に髪を乾かしてくれたり、寝相悪くて毛布からはみ出したりしたのを引き寄せてくれたりとか、それから···そう!腕枕してくれたりと、モガッ···』
万「ちょっと愛聖、も、もういいから!ね?!」
まだまだアピールポイントは沢山あるのに、なぜか慌てた万理が私の口を手で塞ぐ。
小「つまりのところ、万理くんと愛聖さんは···やはり···」
「「 毎晩、同じベッドで寝てる···?! 」」
『まぁ···ベッドひとつしかないし』
確かにそれを提案したのは私だし、別に万理以外にも千だって泊まらせて貰った時にはそうだったし。
ダメなの、かな?
小「思い出せば、僕が万理くんの家を訪ねて行ったあの朝···出迎えてくれた万理くんはシャワーから出た直後で艶やかな濡れ髪、そして偶然にも居合わせた愛聖さんは···万理くんの大きなシャツ一枚姿···」
『社長、その私の姿というのは記憶から消し去って下さい···是非とも』
小「それに万理くんは、そんな姿の愛聖さんを僕から隠すように慌てて奥の部屋へ押し込んでいた···いや、いいんだよ僕は。確かに隠したくなるような可愛らしい寝起き姿だったし···ウンウン」
万「社長?更なる誤解を招く発言はやめて下さい」
小「あはは、ゴメンゴメン。大丈夫だよ、僕は万理くんと愛聖さんを信じてるからね。だから君たちもこれ以上二人をからかうのはやめときなさい、ね?」
大「社長にクギ刺されたら、オレ達はもうなんもちょっかい出せないな、ザンネン」
ナ「マリー?今度寝る場所に困ったら、迷わずワタシのベッドを使って下さい?添い寝なら、バンリの代わりにワタシがお供しますよ?」
三「あんなまじこなグッズだらけの部屋で寝れるわけねーだろ!」
ナギさんがウインクを投げる横で、またも三月さんがツッコミを入れる。