第14章 心の行方
❁❁❁ 陸side ❁❁❁
三「東京だぁ!」
ツアーファイナルを終えて東京に戻った瞬間、三月が毎度の事ながら元気に声を上げる。
大「東京なんて、いつも見てるでしょうが」
三「いや、そうだけどな!でもツアーであちこち回ってたから、やっぱり見慣れた景色に囲まれると、東京だぁ!って感じだろ?」
三月が言えば、大和さんはそんなもんか?なんて笑う。
でも確かに三月の言うように、地方公演で飛び回ってたから、見慣れた景色の中にいると落ち着く気もする。
紡「東京公演で、今回のツアーファイナルになります。皆さんお疲れ様でした!」
この後のスケジュールを確認しながら、マネージャがオレたちの顔を順に見ていく。
「マネージャーもお疲れさま!オレたちの為に新幹線やホテルの手配とか全部やってくれて大変だっただろ?」
紡「でも、汗だくになりながら踊ってる皆さんに比べたら全然です。ツアーが終わったら、次は冠番組も始まります。もっともっとアイドリッシュセブンがメジャーに、あっ・・・」
マネージャーがこれからの事を話していると、マネージャーのスマホが鳴り出した。
紡「すみません・・・ちょっと失礼します。はい、小鳥遊です。あ、いつもお世話になって・・・はい・・・えっ?!・・・」
電話に応対してるマネージャーの表情が、オレたちにも分かるほどに強ばっていく。
大「なんだ?トラブルか?」
一「マネージャーのあの顔を見る限り、他に理由がなさそうですが・・・」
もしかして、いま別行動になってるMEZZO"の方になにかあったんだろうか?と大和さん達が話し始める。
だけど、最近の環は壮五さんに迷惑かけないように遅刻にも気をつけてたし・・・
紡「・・・えっ?!降板ですか?!・・・はい、はい・・・」
三「いま、降板って聞こえなかったか?」
ナ「ワタシたちのレギュラー番組の事でしょうか?」
三月の言うように、マネージャーは確かに降板って言葉を口にした。
けど・・・降板だなんて・・・そんな・・・
紡「分かりました・・・事務所に戻り次第、確認させていただきます・・・はい・・・ご連絡ありがとうございました・・・はい・・・失礼します・・・」
通話を終えたマネージャーが大きなため息を吐きながら、切ったばかりのスマホをジッと見つめる。
一「マネージャー、一体なにがあったんですか?」