第14章 心の行方
❁❁❁ 百side ❁❁❁
千「モモ、ちょっと話があるんだけど」
いつもの如くユキの家のソファーで寛いでいると、仕事部屋から出て来たユキが・・・妙に機嫌よくオレに声を掛けてくる。
「話って?・・・あ!もしかしてRe:valeの新曲でも出来たとか?!」
千「まぁ、当たらずとも遠からずって感じかな」
当たらずとも遠からずって、なんか変な言い回しだなユキ。
千「前に愛聖の書いた詞に僕が曲を付けたこと覚えてる?」
「もちろん!マリーがどれがいいか分からないから、ユキに任せるとか言ってたヤツでしょ?結構ユキは全部に曲つけてたけど・・・それがどうかしたの?」
千「愛聖に出来上がったのを渡して、どれが気にいるか選んで?って言ったけど、どれも好きだから選びきれないって言うからさ?」
小鳥遊社長に渡したものと同じディスクをヒラヒラとさせながら、ユキが怪しげに微笑む。
千「全部起用して貰う事にした」
「へぇ・・・全部かぁ!・・・って、全部?!」
千「そう、全部だよ。うさぎのおじさんにも連絡して話を持ちかけたら、快諾してくれたよ?ミニアルバムとしてやってみようって。上手く行けばそのミニアルバムを引っさげてちょっとしたライヴも出来ちゃうんじゃないか?とも提案した。言うなれば、Re:valeプロデュース」
凄い・・・Re:valeのユキがプロデュースするとか、話題沸騰じゃん!
「でもマリー本人にはそれって・・・もう伝わってんの?」
千「さぁ?」
「さぁ?って、まずそこが肝心なんじゃない?!」
だってもしマリーが自分はアイドルじゃないからそれは嫌だとか言ったら、元も子も・・・
千「大丈夫。ちゃんと手は打ってあるから愛聖はお断り!だなんて言わないよ。って言うか、言わせない」
・・・いや、なんかそれ怖いよユキ。
「ちなみに、だけど。その手は打ってあるって言うのは、どんな?」
千「僕達Re:valeが、曲をスタジオで収録する時にバックコーラスに入る。これは、おかりんにも許可貰ってるから、後は愛聖とのスケジュール調整だけ」
仕事早っ!!
千「だから、モモには今までよりも忙しい思いをさせちゃうけど・・・ごめんね?って話がしたかった」
「え?あぁ、それは別に平気!」