第14章 心の行方
❁❁❁ 環side ❁❁❁
MEZZO"の仕事とツアーの中日ってやつで、久々な感じで寮に戻ってっけど。
なんか、あの時にそーちゃんが言った事が分かんなくて、モヤモヤが消えなくて。
「なぁ、みっきー。自己証明って、なに?」
みんなと合流する前にそーちゃんに言われたことを考えてみて、答えが見つからなかったから、みっきーに聞いてみる。
三「自己証明?そりゃ、アレだろ。自己証明っつうのはだな、」
大「あ~、待て待てミツ。タマはその、自己証明って単語をどこで覚えてきたんだ?」
「どこって、アンケート書く時にそーちゃんが言ってた。そん時からずっと、そーちゃんの自己証明ってなんだろ?って考えてたけど、意味分かんねぇし」
そーちゃんは時々、難しい言葉を使って話を帰る時がある。
・・・気がする。
そういう時って、だいたい、そーちゃんの事を聞こうとしたりするとだけど。
俺に言いたくないとか、話したくないとかなら、難しい言葉使ったりしねぇで、話したくないって言えばいいじゃん。
三「壮五が?つうか、お前ら2人でいる時どんな会話してんだ?」
「別に、なんも。ただ、あの時は俺が番組から渡されてたアンケートまだ書いてなくて。そーちゃんに適当に書いといてよって言ったら、そーちゃんがそれじゃ困るって言って。俺の代わりにそーちゃんが書くから質問に答えろって言ってて」
三「なんだ?どのタイミングで壮五が自己証明だって言ったんだか分かんねぇぞ?」
俺の話を聞きながら、みっきーが頭をガシガシと掻いた。
「だから、アイドルになった理由は?とか、そんな質問があって。俺は妹を探すためだって言ったら、そーちゃんがそのまま書いてもいいのか?って言うから、いいって言って。じゃあ、そーちゃんは?って俺が聞いたら、しばらく黙ってから自己証明かな?って言って」
あの時のそーちゃんは、なんかいつもと違う顔してた。
本当の事が、言えないような。
そんな、顔してた。
「あーっ!もうワケわっかんねぇよ!・・・寝る!」
三「あ、おい環?!寝るってお前、仕事あるだろ?! 」
「ちゃんと行くし!」
勢いのままリビングを出て、自分の部屋のベッドに飛び込む。
ちょっと寝て起きたら、MEZZO"の仕事がある。
起きてすぐ動けるように、自分の手に集合時間を大きく書いた。