第13章 デビュー会見と、そして・・・
目覚めにひと騒ぎあったものの、みんなとの久しぶりな朝食を食べ終えると、高校生組は学校へ行く為に席を立つ。
私も少し早いけど、それに合わせるように支度をして2人と一緒に玄関へと向かった。
三「一織、弁当。ほら環もな?」
三月さんからお弁当をそれぞれが受け取り鞄に詰める。
『四葉さん、忘れ物は大丈夫ですか?』
環「なんでマリーは俺にだけ聞くの?」
『だって一織さんが忘れ物するとか、想像つきませんから』
一「佐伯さんの言う通りですね。私は今日まで忘れ物に関しては1度もありませんから」
靴を履きながら一織さんが振り返り四葉さんが靴を履くのを律儀に待っている。
環「よ・・・っと。そういやマリー、こんな時間から仕事行くのか?昨日、明日はゆっくりだからとか言ってたじゃん?」
コンコン、と靴を鳴らしながら履き終えた四葉さんがチラリと私に視線を投げる。
『今日は撮影もありますけど、その前にオーディションがあるのでゆっくりなんです。この時間でも早いくらいだけど、一織さんと四葉さんを見送るなら通学路の途中に事務所があるし一緒に出て途中まで行こうかな?って思って』
四葉さんに続いて私も靴を履きながら答える。
環「オーディションか・・・なんの?」
『化粧品会社のイメージガールっていう感じで、書類選考は進めたから、今日はカメラテストって言ってたかなぁ。現場入りは夕方からだから、それまでに時間の隙間でお昼食べないと、今夜は遅くまで撮影があるからとか社長が言ってたんですよ』
移動時間か、もしくはどちらかの現場でサッと済ませられるように行きながら買い物するか、現場で調達しないとね?って社長が言ってたし。
早めに出るから、事務所着いてからコンビニで買い物しちゃうのもアリかも?
三「なるほどな。んじゃ、ある意味これはちょうどよかった感じだな。ほら、弁当・・・愛聖と、それから社長のもな」
早く受け取れ?と差し出された三月さんの手には、大きめな包みと、その半分位の包みがあって。
『お弁当・・・三月さんが作ってくれたやつですか?!』
三「一織と環のは毎日の事だし、まぁ、ついでって言うか」
陸「その割には三月、凄く楽しそうにお弁当作ってたよね?」
三「陸・・・そういうのは黙っとけっての!」