第13章 デビュー会見と、そして・・・
『三月さん!実は私、昨夜逢坂さんと3人で買い物してる時に三月さんにお弁当作って貰えたらいいなぁって思って・・・だから、凄く嬉しいです!』
三「あ、おいっ?!」
嬉しさのあまりお弁当を掲げる三月さんにギュッと抱き着くと、三月さんは弁当落ちるだろ!と言いながらも、それならまた今度作ってやるからな!と笑っていた。
一「それじゃ兄さん、行ってきます」
三「おう!一織も環も学校頑張れよ!それから愛聖も、オーディション受かるといいな!」
『はい!頑張ります!』
元気よくガッツポーズを見せて、それじゃ・・・と3人でドアを抜けて行く。
『四葉さん、さっきの忘れ物の話ですけど・・・私は学生時代は頻繁にではないけど忘れ物した事あったなぁ。私って母さん1人だけだったから保護者会とか授業参観の出席プリントとか見せにくくて。仕事休まなきゃいけないんだろうな・・・とか思うと、余計に。この場合って、うっかり忘れ物って言うより、計画的にの方かもだけど』
心地良い風がそよぐ風の中を歩きながら、自分の学生時代の事を話せば、歩幅を合わせてくれている2人が耳を傾けてくれる。
環「それ俺もなんとなく分かる。俺は施設育ちだったから親なんていないし、でも出さなくてもなんでか園長とか来てたよな」
『そうそう!私もだよ。見せなかったことに帰ってから怒られたりしたけど、母さんはいつも来てた。どうしても来れないって時、1度だけ万理がひょっこり授業参観来てた時はびっくりしたし、なんか恥ずかしかったなぁ』
周りの友達は誰のお父さん?!わかくない?!とか騒ぎ出して。
さすがに授業参観の後の懇談会は出なかったけど、一緒に帰ってるところを友達に見られて次の日にからかわれたり。
でも・・・母さんの代わりに来てくれた事は、嬉しかったんだよね。
環「バンちゃんが学校来るとか、スゲーな」
『母さんが仕事の都合がつかなくてってションボリしてるのを見た万理がね、その日は自分のバイトが休みだから代わりに行ってもいいですよ?って名乗り出たらしくて』
一「大神さんが学校に来たら、それこそ女子は大騒ぎでしょうね」
『まさにそうだったなぁ。隣に住んでるお兄さんだって言ったら、それまで全然仲良くしてなかった子達まで私の家に遊びに行きたいとか言い出して大変だったんだから・・・断るの』