第13章 デビュー会見と、そして・・・
少しだけ開けてあるカーテンの隙間から届く朝日で目が覚める。
もう朝か・・・
まだボンヤリとする頭で軽く伸びをして、ゴロンと寝返りを打てば隣には誰かの気配がして、なんとなくその温もりに手を伸ばして体を寄せては、まだもう少しなら寝ちゃってもいいかな?なんて顔を埋めてしまう。
・・・ちょっと、待って。
ここは小鳥遊プロダクション所有の寮で。
昨日は私、いつもより早く帰って来て意識あるうちにベッドに潜り込んだ、よね?
じゃあ、ここにいるのは誰?!
恐る恐る埋めた顔を上げて行けば、そこに見えてくるのは・・・
『な・・・なんでナギさんがっ?!』
ナ「Good morning、マリー」
ベッドに腰掛け、上半身だけ寝転がせた至近距離のナギさんが、私の髪を指で梳きながら微笑む。
それは朝日を浴びてキラキラとしていて・・・じゃなくて!!!
『な、ななななナギさんっ?!どうしてここにナギさんがいるんですかっ?!』
驚きながらガバッと起き上がり、その勢いでクラつく頭を押さえながらナギさんを見れば、小さく息を吐かれてしまう。
ナ「oh...そんなに慌てて離れられると、ワタシ悲しいデス」
『あ、すみません・・・じゃなくて!ここは私の部屋ですよ?!なのにどうして?!』
ションボリ顔をするナギさんに思わず謝ってしまいながらも、そうじゃないと自分に言い聞かせてはまた声を上げてしまう。
ナ「ミツキがワタシにマリーを起こすように言いマシタ。ちゃんとノックもしてからドア開けマシタ。すやすや眠るマリー、とてもキュートな寝顔デスね」
寝起きでそんな事を言われても、脳内処理が追いつかないよナギさん。
ナ「あまりにキュートなので、思わず寄り添ってしまう程に。さぁ、マリー?目覚めのキスをお届けしますよ?」
キラキラと目を輝かせながら近付くナギさんをおしやり、目覚めのキスをとか、千か!と心でツッコミを入れながらもこの状況をどうやって切り抜けようかと目を泳がせてしまう。
ナ「さぁ、マリー?美しいワタシから、キュートのマリーに・・・キスを」
『いや、だから別に目覚めのキスは大丈夫ですから!近い・・・ナギさん近いですよ!』
目覚めて早々に息が止まるような美形が至近距離に迫ると、ホントに息が止まるというか、心臓が止まる!!