第13章 デビュー会見と、そして・・・
三「毎回同じネタで弄りやがって。愛聖、そういう事だから支度して来い?」
『あ、はい!』
慌ただしく身支度をして、玄関で待っていてくれた2人の所へ向かう。
そこにはなぜか四葉さんもいて。
環「なぁ、そーちゃん。マジで俺行っちゃダメなの?」
壮「三月さんが言ってただろ?だから今日はみんなと夕飯食べて待ってて?」
穏やかに逢坂さんが言うも、どこか納得行かない顔を見せる四葉さんに私も声をかけた。
『四葉さん。私、明日は朝はゆっくりでいいんです。だから、明日の朝は四葉さんと一織さんが学校へ行く時にお見送り出来ますから』
環「マジで?じゃ、朝ご飯とか一緒に食えんじゃん・・・みっきー、俺マリーと食うから起こして」
三「自分で起きろっての!オレは朝飯当番と弁当作りがあるんだから」
ケチ、と口を尖らせる四葉さんをみんなで笑い、逢坂さんが自分が起こしに行くからと宥めながらドアを出る。
私もそれに続いて靴を履きながら、四葉さんに小さく手を振ってドアを閉めた。
通い慣れた事務所までの道は、3人でお喋りしながら歩くとあっという間で、事務所へ入れば予想通り社長と万理がお互いに向き合って無言のまま仕事をしていて。
私たちに気付いてた社長と万理に、三月さんが詰めてくれたお弁当を手渡して私たちは事務所を後にした。
三「社長も万理さんも、スゲー勢いでパソコン打ってたな」
『ですね・・・予想はしていても、目の当たりにすると胸が痛いというか・・・社長、私に付きっきり状態で現場に出ているから』
2つの撮影の立ち会ったり、それ以外にも売り込みとか、取引先とのやり取り、その合間にも万理や他の事務員から連絡が入れば折り返したりして。
そうやって忙しい思いをしながらも一緒にいてくれるのはとてもありがたいけど、休める時は少しでも休んで欲しいと思うのもあって。
でもそれは、いまの仕事をいち早く終わらせる事が1番の近道でもあり。
撮影の進行を考えれば、どっちの撮影も折り返したばかりだし。
『もう暫くは、なかなか難しい・・・かな』
三「なにが?」
『あ、いえ・・・独り言です』
思わず呟いた言葉に反応した三月さんに笑い返しながら、肩を竦めて見せた。
三「ならいいけどよ。それよか愛聖と壮五の出てるドラマの放映、遂に始まったよな」