第13章 デビュー会見と、そして・・・
『あ、でも。ファンに写真を・・・とかだったら、人数が多い方が騒ぎが大きくなるのでは?』
デビューしたてのアイドリッシュセブンのメンバーが2人も外を歩いていたら、それこそ黄色い声が響き渡るんじゃないか?と言ってみる。
一「違いますよ。この場合は、四葉さんと佐伯さんが “ 2人 ”で歩いている事の方が問題になるんじゃないかと言うことです」
『・・・あっ・・・・・・なるほど』
事情を知らない誰かが、四葉さんと私が肩を並べて歩いてるのをみたら誤解させるって、一織さんは言いたいんだ。
あれ?でも買い出しの時なんかは、三月さんと2人とか、逢坂さんと2人とか・・・だったよね?
環「なんで俺とマリーが2人で歩いてたら問題なんだよ。いおりん、もしかしてヤキモチ?」
一「違いますよ!私はただ、漸くデビューしたばかりだから、用心するに越したことはないと言っているだけです。デビュー早々にスキャンダルで潰れそうになるアイドルなんて肩書き、必要ないでしょう」
環「ふ〜ん。いおりん、ヤキモチかと思った」
一「違うと言ってるでしょう!」
まぁまぁ・・・と2人を宥めて、じゃあ3人で届けましょうと笑いかければ、そこで三月さんからのストップがかかった。
三「一織、3人ならいいんだろ?」
一「はい、2人だけよりは安心かと」
一織さんの言葉を聞いて少し考えた三月さんが、エプロンを外しながらキッチンから出て来た。
三「なら、愛聖と一緒に行くのはオレと壮五だな」
一瞬の間を開けて、ポカンとした四葉さんが三月さんを見る。
環「なんで?」
三「なんで?って環、お前も一織も未成年だからだ。まだまだ早い時間だとは言っても高校生だろ?だから、オレと壮五なら問題ないからな」
壮「そうだね、三月さんの言う通りかも。僕たちだったら街中で見掛けられても、買い出しの途中かな?って思われるだろうし」
三「ま、そういう訳だから大和さんはコイツらと先に飯食っててくれよ。ナギは・・・壮五、声掛けて来てくれ」
大「了解。つうか、ミツ?お前さんも補導されないようにな?」
ニヤリと笑いながら二階堂さんが言えば、三月さんがあのなぁ!といつもの感じでツッコミを入れる。
三「オレはちゃんと大人だっつーの!税金だって収めてんだからな!」