第13章 デビュー会見と、そして・・・
環があれだこれだと愛聖さんに何かお願い事とかすれば、愛聖さんもニコニコしながら環と一緒にプリン食べたりゲームしたりしてるから。
オレたちの曲をTRIGGERが発表して、ちょっと揉めた後から、特に甘え度が増えてベッタリでさ。
そんな環を見て、一織がいくらなんでも甘え過ぎですよ、とか言っても、愛聖さんは自分は一人っ子だったから甘えてくれたりしたら弟が出来たみたいで嬉しいから平気だって笑ってて。
一織にも、お姉さんだと思って甘えてくれてもいいですよ?なんて笑いながら言って一織を赤面させたりしてた。
っていうかさ、一織にあんな顔をさせるのって・・・愛聖さんくらいじゃない?
最初はツンツンしてた一織も、一緒に生活して行く内に三月の時とは違うデレデレな感じを見せたりしてるし。
・・・本人に言ったら、思いっきり全否定されたけど。
「オレ愛聖さんに、直接話したいことがあるのに」
頬杖をつきながら呟くと、三月も壮五さんも一瞬驚いた顔をしながらも、オレを見て2人が顔を合わせて微笑んだ。
三「陸、お前が愛聖に直接話したい事ってなんだ?」
「だから、オレたちのデビューアルバムツアーの事とかさ。他にもいろいろ」
壮「それはきっと、僕たちみんなが愛聖さんに話したい事だと思うけど・・・でも、陸くんが代表として話したいなら、僕は異論はないよ」
三「ってことだ。お帰り、愛聖」
お帰り?
三月の視線がオレの後ろの方に向けられてるのを見て、オレも思いっきり振り返る。
『ただいま、三月さん。それから皆さんも・・・それで七瀬さん、いまの話って本当ですか?!』
愛聖さんが、驚きながらも嬉しそうな顔をしてオレをまっすぐに見る。
「お帰りなさい、愛聖さん。いつからそこにいたの?オレ、びっくりしたんだけど」
『玄関で一応ただいまは言ったんだけど、ちょうどそこにいた一織さんが、そっと入ったら面白い物が見れますよって言うから』
一「面白い物が見れたでしょう?七瀬さんが思い耽っている姿なんて、貴重ですよ」
「一織!かわいくないぞ!」
すまし顔で言いながら愛聖さんの手荷物だろう物を持ち直す一織に言えば、眉一つ動かすことなくチラリとオレを見て、また視線を戻された。