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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第13章 デビュー会見と、そして・・・


❁❁❁ 大和side ❁❁❁

『それでね、社長。パン屋さんでバイトしてた時の万理って、お客さんにモテモテで女の子に差し入れとか貰ってたんですよ』

小「そうなの?じゃあそのパン屋さんは万理くんが辞めるってなった時、残念だったんじゃない?」

『そうかも。だって万理がいる日は行列が出来てましたもん。私も母さんと並んでたら、万理がそれに気付いて手を振ってくれたけど、周りの女の子の視線が痛かったです』

社長と弁当を食べながら昔の万理さんの話をするのを聞きつつ、オレも弁当をちまちまと食べる。

キャッキャウフフと社長と話してるけど、分かってんのか?

この後の撮影って言ったら・・・なぁ。

別に愛聖を変に意識してる訳じゃないけど、やっぱりちょっと、気になっちまうだろ普通。

モグモグと小動物のように動かす口を、なんとなく見つめてしまう。

あの唇に、この後オレが・・・

今更どうにかなる訳でもないから、そこはオレだってカメラが回れば役に入るけど。

『二階堂さん?私の顔になにかついてます?なんだかさっきから、ずっと見てる気がするんですけど』

「おわっ?!急に顔近づけんなっての!びっくりするだろ!」

仰け反る勢いで体を起こし、ほらほら離れなさいよと手のひらで愛聖を押すフリをする。

『だって、ずーっとぼんやりしながら私を見てたから気になっちゃって 』

「なんでもないっての。ただ、おまえさんがモグモグとリスみたいに頬張ってくってんなぁって、そんだけ」

『頬張っ・・・私そんなに食いしん坊じゃありませんけど!』

「・・・どうだか?」

『もう!絶対違うんだから!』

「あーはいはい。さてと、弁当も食べ終わったし・・・午後に備えて歯磨きでもしときますかねぇ」

『あ、じゃあ私も・・・』

・・・しまった。

言ってしまってから気付いて、お互いになんとなく顔を伏せる。

小「2人とも照れ屋さんだなぁ」

他人事のように笑い出す社長にチラリと視線を送りつつ、楽屋に戻るわ・・・と言い残してフラリとその場を後にする。

全く・・・ちょっと肩を抱き寄せたシーンを見ただけで大騒ぎしてたアイツらが見たら、きっともっと騒ぐだろうな。

社長も、随分とたいそうな仕事を入れてくれたもんだと苦笑を浮かべながら、自分の為に用意された楽屋のドアを開けた。




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