第13章 デビュー会見と、そして・・・
二階堂さんと共演のドラマ撮影も順調に進み、今日はドラマ展開の折り返し・・・という所の撮影をしていた。
時代物の方は楽が、こっちには天が私の先輩役にあたる役で参加してる。
天は頭のキレるキャリア組から捜査の応援に来てる冷静沈着なキャリア組で、いつも私のドジが目についてイライラしてるという流れ・・・
なんだか、普段の生活と変わらないような気もするよ・・・アハハ・・・
楽と天とそれぞれ別の所で共演だとか、そのうち龍もどこかで一緒になりそうな気がして来たよ。
2つのドラマ撮影を行き来しているせいか、最近は寮でみんなと顔を合わせる機会が少なくてちょっと寂しかったりもする。
頻繁に顔を合わせるメンバーと言ったら、二階堂さんくらいだから、撮影の合間にみんなの様子を聞かせてくれたりするのは、二階堂さんなりの優しさなんだと思う。
それに、直接顔を見る時間が激減していても、みんながそれぞれの時間にラビチャでメッセージをくれたりして、そういった事も胸の奥をふわっと暖かくしてくれるひとつだし。
四葉さんなんて、学校の休み時間毎にメッセージくれてるから、そういうのも楽しい。
今だって学校のお昼休みなのか、三月さんが作ってくれた今日のお弁当の写真を送ってくれて。
『かわいい・・・私もこんなお弁当作って貰えたらテンション上がっちゃうなぁ』
小「また環くんからメッセージ?」
スマホの画面を見てクスッと笑う私を見て、社長もその画面に目を落とす。
『四葉さんから、今日のお弁当!って。三月さんのお弁当って毎日かわいくて羨ましいなぁって思ってた所です。最近ずっと夕飯なんて寮で食べることないし、三月さんの作るご飯が食べたいなって。あ、もちろん現場で配られるお弁当やケイタリングも美味しんですけど、三月さんの手料理には勝てませんから』
そう言いながらスマホを閉じて、社長と向かい合わせでお弁当を広げ始める。
『そう言えば二階堂さんはまだ撮ってるんですか?いつもなら、お兄さんと一緒に食べようぜ〜?とかなんとか言って私の楽屋に来るのに』
何気なくドアを見ながら言えば、社長がお茶飲みながら私を見る。
小「大和くんは、この後の愛聖さんとのシーンで頭がいっぱいなんじゃないかな?ほら、例の・・・」
『例のって、あっ・・・』
小「・・・ね?」