第13章 デビュー会見と、そして・・・
❁❁❁ 千side ❁❁❁
「おかりん、次の仕事まで半日くらい空いてるよね?」
岡「そうですね。特に大きな場所移動はないのでゆっくり出来ますよ?あ、もしかして千くん、眠いとか?」
どうしておかりんは、僕が空き時間を気にするとイコール眠いと判断するんだ?
百「あっ!もしかしてユキ、マリーの撮影見に行きたいんでしょ?!」
「まぁ、そうね・・・」
昨夜さり気なく愛聖に聞いたら、今日は近くで撮影してるって言ってたし。
でもそれをハッキリと言えば、モモはきっと・・・
百「だったらオレも!オレも行きたい!」
ほらね・・・言うと思った。
岡「う〜ん・・・お邪魔にならないでしょうか」
百「ならないならない!絶対静かに見学するって!」
お願い!と両手を合わせるモモを見て、そっとおかりんと視線を交わす。
モモが静かにだなんて、絶対ありえない
おかりんの目は、そう物語っている。
僕も同感だけど。
「モモが暴走しそうになったら僕が止めるから、ちょっと見に行くくらいならいいでしょ?だってあの作品って、これから打ち合わせが始まる僕たちの映画のスピンオフって聞いてるし?」
監督やスタッフも僕たちの映画撮影と同じだし、それなら尚更、挨拶代わりに顔見せに行った方がRe:valeとしてもいいんじゃない?なんて、ちょっとこじつけるように言えば、おかりんも納得してくれる。
岡「では、スケジュールに響かない程度に見学させて頂きましょう。ちゃんと差し入れも用意しなければなりませんね・・・なにがいいですかね」
差し入れ・・・人数もそれなりに多いだろうし、けど、疲れた時には糖分補給とくれば。
「「 王様プリン! 」」
岡「え?プリン、ですか?」
百「そう!普通のじゃなくてさ、王様プリン!最近マリーがハマってるやつ!」
「そうそう。どうせなら貰う側が喜ぶ物がいいから」
急にそんなにたくさん手に入るだろうか・・・と考え込むおかりんに、王様プリンはそこそこあれば大丈夫だからと付け加える。
「他のスタッフや演者さんには、違うものを差し入れすればいいから」
善は急げ、はちょっと意味が違う気もするけど、僕たちはおかりんが運転する車に溢れんばかりの差し入れを用意して、愛聖がいる撮影所へと向かった。