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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第13章 デビュー会見と、そして・・・


❁❁❁ 壮五side ❁❁❁

「三月さん、行ってきます」

三「おぅ!壮五はこれから行く現場は愛聖と同じ撮影所だろ?」

「あ、はい。夜までずっと同じ撮影所にいます。向こうに着いたら社長がいるから、順調に撮影が進めばだけど、帰りは一緒になるかと」

時計を見ながら三月さんに言えば、ちょっと待ってろ?と言っていそいそと何かを袋に詰め始めた。

三「お待たせ。これ、現場にいる愛聖と社長に差し入れな?壮五の分もちゃんと入ってるから」

「差し入れ、ですか?」

差し出された紙袋を受け取りながら言えば、三月さんが僕にニコリと笑って見せる。

三「おぅよ!オレ特性のサンドイッチだ。これから愛聖たちと仕事ってことは、例の時代物のヤツだろ?って事は衣装も着物とかなら着替えも大変だろ?だから、簡単に食べられる物を作ったんだよ。ほら、愛聖って腹減ってても忙しいと面倒だからって食わなかったりするだろ?どんな仕事も体が資本ってヤツだ」

「ありがとう三月さん。きっと愛聖さんも喜ぶと思うよ」

紙袋を掲げると、そこからふわりと揺れるトマトやチーズの香りがして、僕も思わず微笑んでしまう。

三月さんの作ってくれる食事はいつも美味しくて。

それを嬉しそうに食べる愛聖さんの顔も、また可愛いって思えてしまう僕もいて。

環「そーちゃん、これマリーに渡して」

環くんからぶっきらぼうに差し出される小さなコンビニの袋を見れば、中には環くんの大好きな王様プリンが1つ入っている。

「環くんがこれを誰かにあげるのって、愛聖さんくらいだね」

環「いいじゃん別に。マリーは王様プリン仲間だし」

王様プリン仲間・・・確かに、2人はよく一緒にプリン食べてるけど。

それでも環くんが自分から王様プリンをあげるのは、愛聖さん以外には他にいない。

「分かった、ちゃんと環くんからだよって渡すね」

環「ぅす・・・あと、そーちゃんも頑張れ」

「うん。共演者の皆さんに迷惑が掛からないように頑張ってくる。じゃ、行ってきます」

三「気をつけて行けよ?車に気をつけてな?」

まるでお母さんのようにエプロン姿のままで玄関まで見送ってくれる三月さんに小さく手を振って、僕は寮を後にした。

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