第12章 小さな亀裂
四葉さんの背中をぽんぽんっとしながら振り返り、二階堂さんをジーッと見る。
『二階堂さん、四葉さんになんてことを吹き込むんですか』
大「あー・・・それな。だってそもそもの発端はタマからだったし、ちょっとお灸を据えた冗談のつもりだったんだけど、タマがそんなに本気にするとは」
『状況を考えたら、そんなの冗談になりませんよ?現に四葉さん、腹を括ったらしいので』
大「悪かったよ、タマ。これからはちゃんと普通の冗談にしとく」
『笑える冗談にしてあげて下さいね』
大「はいはい」
のらりくらりと返事をする二階堂さんに、もう・・・とひとつ零して、そういう事みたいなので大丈夫ですよ?と四葉さんにも声を掛ける。
環「でもマジでそういう事になったら、俺ちゃんと考えっから」
『よ、四葉さん?!』
ゆっくり体を話しながら、正面切って言われると・・・照れると言うか。
百「あーっ!コラ環!俺のマリーを許可なく口説いたらダメー!」
・・・はぃ?
環「別に、ももりんのじゃねぇし」
ナ「NO!タマキ、マリーはワタシのマドモアゼルです!」
三「ナギのでもねぇよ!」
百「あっはははは!なんだそれ、楽しいな!」
普段のみんなのやり取りに、百ちゃんがお腹を抱えるように笑う。
環「なぁ、マリー。俺、腹減った」
壮「環くん、空気読んで!」
陸「環はいつもお腹空いてるよな」
環「だって全力で走れってヤマさんが言ったし。あと、ももりんも腹空かせてマリーを迎えに来いって言ってた」
三「おまえらなぁ・・・天下のスーパーアイドルのメンバーの前で恥晒すのやめろっての!」
場の空気もそのままに三月さんが言えば、百ちゃんは更に笑いながらみんなの顔を順に見る。
百「まぁ、とりあえず全員座っとけ?すぐに料理が運ばれてくるからさ!」
環「やったぜ!」
三「環!」
百「いいっていいって。今日は俺の奢り!腹いっぱい食べて、ぐっすり寝て、明日からまた、みんな仲良くすんだぞ?」
笑い過ぎで涙が浮かんだ目を軽く擦りながら、部屋に設置されたインターフォンを押して店員さんにオーダーをすれば、幾分も待たない内に次々と料理や飲み物が運ばれて来た。
百「今日は無礼講!食べて飲んで・・・騒ぐぞー!あ、未成年はソフトドリンクな!じゃ、カンパーイ!」