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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第11章 スタートライン


タマだけじゃない。

オレや、きっと他のメンバーだって同じこと思ってる。

万「環くんが言いたいのは?」

「万理さんは愛聖にとって、特別なんだなってこと」

万「···え?そうかな?」

「そうです」

万「う~ん···特別な存在とはまた違うと思うけど?俺は子供の頃から知ってるってだけで、特別って言うのは例えば前の事務所の社長とか、そういうんじゃないのかなぁ?この業界でちゃんと人の目に触れるまで育てたっていう実績もあるし」

それはそうかも知れないけど、万理さんって意外と···

「···鈍感?」

一「どうやら、そうみたいですね」

側で話を聞いていたイチが、流れのままに会話に入って来る。

陸「万理さんて、たまに天然っぽいよね」

ナ「そこがバンリのいいところ、ですよ?」

一「あなたは人のことを言える立場じゃないですよ、七瀬さん」

陸「なんでオレだけ?!」

まーた、イチはそうやってリクを構う···

「まぁ、愛聖にとって万理さんはオレらより、ほんのちょっとだけなにかが違うってこと。じゃ、オレは酔いも覚めてきたから風呂入るわ」

歩きながら後ろ手に手をヒラヒラとさせて、自分の部屋へ着替えを取りに行く。

ドアを開ければ、足元でピー!と音をさせながら動き回る同居人···というか、オレの部屋をいつも掃除してくれてるヤツがいる。

「そういや、お前さんも愛聖に可愛がられてたっけな」

前にここへ来た時、障害物を避けながらクルクルと動き回る小型のコイツを見て、凄い!小さくて可愛い!とか言って笑ってたっけ。

掃除機が可愛いとかヘンなヤツ···とか思ったけど、愛聖は変わってるトコあるからなぁ。

「お前さんも···愛聖にとって、特別ってことか?」

腰を屈めてツン、とつついて。

なにやってんだろ、オレは···とひとり笑う。

「さぁって!チャッチャと風呂入りますかね」

誰に言うでもなく声に出して、クローゼットの扉を開けた。


風呂から出たら、デビュー曲の音合わせでもしながら寝るか?

ベッドに広げたままの楽譜をチラ見して、リーダーってのもなかなか忙しいな···と小さく笑った。



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