第11章 スタートライン
『たださ?後で楽の所に行かなきゃな?って考えてただけ』
千「楽くんに?···あぁ、なるほどね」
千もチラリと袋の数々を見ながら呟いた。
『いろんな事情があったから、衣装どうしようとか思ってたら姉鷺さん付きで服を···とか、なんか悪いなぁって』
千「ま、別に楽くんがそうしたかったんだろうから、いいんじゃない?そうだ···男が女に服を送る意味って、知ってる?」
意味···?
『それは···知らないけど、どんな意味があるの?』
千「それはね···」
百「あーっ!見て見て!楽からマリーにくれた服の中にさ、こんなスケスケのやつあるよ!!」
千「···スケスケ?」
ほらみてよ!と袋から百ちゃんが出してたのは···
『ちょっ、百ちゃん!シースルーって言ってよ!』
百「ユキも見てよ!楽ってば、マリーにこんなの着せようとしてたみたいだよ?」
いや···その前に百ちゃん?
いま百ちゃんが手にしてるのはそれだけで着るやつじゃないと思うんだけど。
千「モモ?モモはこういうスケスケなやつが好きなの?だったら、今度の僕たちの衣装···おかりんに頼んでスケスケにして貰う?」
百「オレたちがスケスケ着るの?!···恥ずかしくない?マリーはどう思う?」
なぜそこで私に振るかな百ちゃん···まぁでも、もしRe:valeがシースルーのみの衣装とかでステージに上がったりしたら···と、想像力を働かせてみる。
シースルーの衣装に身を包んだRe:vale。
激しく動き回る百ちゃんに。
アイドルスマイルで悩殺ポーズをする、千。
大変だ!!!
『死亡者が出ちゃうよ!!』
思わず叫べば、ふたりがポカンとした顔で私を見る。
千「愛聖···僕たちでどんな凄いやつ想像したの?」
百「マリーって···意外とダイタン。もう···マリーのエッチ!」
『はぁっ?!』
わざとらしく私から身を守るように自分たちの体を腕に閉じ込める千と百ちゃんに眉をピクリとさせながら、いったいこのふたりの思考回路はどこにどう繋がってるのか一度解体してみたい···!と大きく息を吐く。
『とりあえず、今度のスケスケでエッチ臭い衣装···期待しとくよ···』
呆れがちに言ったのと同時に、楽屋のドアがノックされる。