第11章 スタートライン
モニターに映るRe:valeや、これまで見て来たTRIGGERの感じを照らし合わせながらひとりひとりを思い描いてみる。
七瀬さんはニコニコとして、体調が悪くなければだけど、いつも元気なイメージだし。
この前だって···
陸「ねぇねぇ愛聖さん!三月がアップルパイ焼いたから一緒に食べよう!」
『美味しそう!···三月さんってなんでも出来るんですね···羨ましいなぁ、私は料理全然ダメだから』
陸「大丈夫だよ!オレだって料理出来ないし。あ、そうだ!今度一緒に三月に教えて貰おっか!」
私が料理全般がダメな所を、自分も出来ないから平気だよ!なんて笑ってくれる七瀬さんが浮かんで、ちょっとした事でも優しさを見せてくれる···と、小さく頷く。
そう考えると七瀬さんは、セクシーさよりも明るく元気な感じだし。
二階堂さんは···あー···そう言えばこの前、洗顔の時に外して置き忘れたピアスを取りに脱衣所へ入る時、うっかりノックなしにドアを開けてしまって、お風呂上がりの上半身裸のままで髪をタオルでゴシゴシ拭く二階堂さんと遭遇したんだっけ。
あれは予測してなかった状況だったから、びっくりしたんだよね。
『あっ···ご、ごめんなさい!』
慌てて謝りながらドアを閉めれば、そのドアはすぐに開けられて···タオルを被った二階堂さんに手を掴まれて引っ張り込まれて。
大「なになに?風呂上がりのお兄さんに興味あり?」
『ちっ、違います!私はただピアスを置き忘れてしまって』
大「へぇ···ピアスねぇ···?じゃあ、お兄さんには全く興味なしって感じ?」
『そうじゃなくて、でもなくて!あ、あの二階堂さん?どうして私は壁に追いやられているんでしょう···アハハ···』
大「ん~、どうしてだと思う?」
それが分からないから聞いてるんですよ?!
『に、二階堂さん?どうしてそんなに距離を詰めて来るんですか?』
大「それはだな···メガネかけてないから、おまえさんの顔がよく見えないからだよ。ほら、もっとよく···顔を見せて?」
『いや、その、それにしても近過ぎるっていうか···』
あと少しで肌が触れ合ってしまうほどの距離にドキマギしながらも目を逸らせずにいると、二階堂さんは遂に笑い出して。
大「なぁんてな?ビックリした?」