第11章 スタートライン
小「さすが絶対王者と言われるだけあって、凄い盛り上がりだね」
曲が流れ出す前なのに、姿を見せただけなのに割れんばかりの歓声がステージを包むのを見て社長が感心する。
『そうですね···そこはホントに私もそう思います。普段の2人は、さっきみたいな感じなのに』
ちょこっと肩を竦めて笑えば、社長もそれはそれで貴重な事だよ、と目を細める。
小「愛聖さんをウチに迎え入れてから何度か3人のじゃれ合う姿を見て来たけど、Re:valeの2人も、愛聖さんも、気取らない自然なリラックスが出来てる感じでいいんじゃないかなぁ?」
『そうですか?ユルユルすぎる感じもしてる気がしますけど···あ、これは私じゃなくて特に千ですけど』
小「だからいいんだと思うけど?千くんも百くんも、愛聖さんといる時しか見せない表情がある。それは彼らが、誰よりも心を許してる証拠だよ」
社長の言葉を聞き入れながら、そんなものなのかな?なんて、部屋でリラックスモード全開の千を思い浮かべる。
···ユルい、よね?
小「だけど、仕事の時はちゃんと、カッコイイから」
ステージ脇のモニターに映し出されているRe:valeの様子を見て社長が私を見る。
そこには観客席に向けてキスを投げる千や、マイクを向けて一緒に盛り上がる百ちゃんがいて。
それはちゃんと、カッコよくて。
TRIGGERの3人とはまた違うカッコ良さを感じる。
まぁ、TRIGGERの場合は龍がいるから···ただカッコイイってよりも、こう···なんていうか、エロカッコイイ?みたいな感じでもあるけど。
龍は素肌を晒すだけで失神者が出そうな勢いだし、楽や天だって、脱いだり肌を晒すことはなくてもファンのみんながドキドキするようなセクシーな感じがあるし。
小「ウチのアイドリッシュセブンも、Re:valeやTRIGGERみたいに、ああいった要素をもっと前に出した方がいいのかなぁ···?」
『社長···今からアイドリッシュセブンの路線変更を考えるおつもりですか?』
小「だってRe:valeもTRIGGERも、アイドリッシュセブンとは違うカッコ良さがあるじゃない?だから彼らも少し、セクシーさを···とか?」
アイドリッシュセブンのみんなが···セクシー路線?!
それって例えば、どんな感じになるんだろう?