第11章 スタートライン
❁❁❁ 千side ❁❁❁
百「ねぇユキ!遂にこの日が来たね!オレすっごい楽しみなんだけど!!」
「そうね···」
僕たちの看板番組で、ゲストに愛聖が決まってからずっとモモはそわそわしてて。
例えて言うなら、指折り数えて運動会や遠足を待つ子供みたいに。
まぁ僕は、どっちも待ち遠しくはなかった分類だけど。
百「マリーって、もう局入りしてるかな?!」
「さぁ、どうだろう。でも、あの社長さんがマネ代行してるんだから遅刻してくるなんて事はないんじゃない?」
もっとも、同行者が誰であれ···今まで遅刻だなんて皆無だったと思うけどね。
百「どんな衣装着るんだろ?メイクは?あぁ、もう!待ち切れなくて落ち着かない!···ユキ、オレちょっと飲み物でも買ってくる!」
「···行ってらっしゃい」
元気よくドアから飛び出していくモモを見送って、思わず笑う。
飲み物買ってくるとか言って、本当は愛聖の楽屋にでも行くつもりだろう。
身支度してる所に遊びになんて行ったら、きっと追い返されるだろうに。
···それはないか。
追い出されるとするなら、着替える時だけだろう。
それ以外の事はら僕の家にいる時は関係なしにしてるんだから。
メイクも、ヘアセットも。
そう言えばモモが、また3人でパジャマパーティーしたい!とか言ってたっけ?
パジャマパーティー、か···いいね。
スマホを出して着ぐるみパジャマのページを開く。
うさぎやらは既に愛聖は着てたから···じゃあ、この真っ白なひつじさんにしようか。
モモは···あ、これにしよう。
オオカミさんだとか、モモにピッタリなんじゃない?
僕はそのまま···気まぐれなネコさんとか、どうだろう。
いや待て···愛聖がひつじでモモがオオカミなのに、僕がネコだとオオカミからひつじを守れないじゃないか。
あ、じゃあこれならイケる?
ページを捲って出てきたライオンの着ぐるみパジャマを買い物カートに入れて色やサイズを決めていく。
この着ぐるみパジャマをサプライズで用意したら、2人はどんな顔をするかな?
きっと楽しい···パジャマパーティーが出来そうだ。
ひとりクスクスと笑いながら、他のページも見てみる。