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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第11章 スタートライン


大「あ、そうそう。それでっていうのもなんだけど、一週間後にオレら都合で沖縄行くからさ」

『沖縄、ですか?』

壮「デビュー曲のプロモーション撮影をするんだって」

陸「今からオレ、凄い楽しみだよ!」

一「七瀬さん、沖縄へは遊びに行くんじゃありません。あくまで仕事です」

陸「分かってるよ!いいじゃん少しくらい浮かれてもさ。沖縄だよ、沖縄!」

確かに沖縄って聞いたら、青い海に白い砂浜···美味しい物もたくさんあって、想像するだけで私だって楽しくなる。

私は何年か前に撮影で数日滞在しただけだけど、うっかり日焼けとかしないように姉鷺さんにがっちり見張られてたから海で遊ぶ···なんてなかったけど。

それでも、過ごした数日間は楽しかったから。

『空きの時間にでも、少しくらい観光できたらいいですね。美味しい物もたくさんありますから』

三「それはそうだけどよ、愛聖はその間ひとりでここにいる事になるけど大丈夫か?」

『大丈夫かって、なにがです?』

三「飯とかいろいろだよ。オレら全員留守にするのに、女ひとりで夜とか危なくねぇか?」

あ···そう言われると確かに。

ご飯は···まぁ、買ってくるなり外に出るなりすれば問題はないけど、この広い建物の中で夜通しひとりでいるのは···なんて言ってられないよね。

『ご飯はなんとでもなるし、戸締りはちゃんとしますから大丈夫ですよ。安心して沖縄へ行って来て下さい』

大「ふ~ん?···寂しくなって泣いたりしない?」

『しませんよ!!お留守番でもなんでもドーンと来いです!』

環「···オバケ出てもか?」

『で、出るんですかっ?!』

環「ん?ウソ」

『四葉さん!』

オバケなんてワードに過敏に反応した私を全員が笑う中、三月さんが作り置き出来る物は少し置いといてやっから心配すんな?と冷蔵庫を指した。

三月さん···今1番心配なのは、オバケなんだけど。

いやいやいやいや···大丈夫!

絶対、絶対大丈夫!

子供の頃から、ひとりで留守番なんて慣れてる!

母さんが遅い時は、隣に住んでた万理がいたし!

···万理?

そうだ···その手があったか!

一縷の望みにたどり着き、ひとり大きく頷く。

善は急げ。

そう呪文のように心で唱えながら、私は残りの掃除を終わらせることに専念した。


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