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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第10章 不測の事態


万理と紡ちゃんと一緒に寮に戻り、社長も後から合流して、今か今かとお蕎麦屋さんの配達を待つ。

紡「そう言えば愛聖さん。いつもお蕎麦を配達してくれる方が、TRIGGERの八乙女さんに似てるんですよ」

···楽に?

また随分と珍しいタイプに似た人がいるもんだと思いながら、世の中には自分とそっくりな人が3人はいると言われている事を思い出して、こんな身近に現れなくても···と笑う。

万理たちにはお腹空いたから早くね···とは言ったものの、あの騒ぎからあまり食欲が戻らず、迷いに迷った結果、私ひとりだけ親子丼にして貰って、半分を四葉さんにあげるって話で纏まって紡ちゃんが注文してくれた訳だけど。

実際のところを言えば、半分ずつにしても多いくらいで。

参ったなぁ···私って自分が思ってるよりもメンタル弱かったんだなぁ。

こんな状態で姉鷺さんに会ったりしたら、アンタちゃんと食べてるの?!って、また怒られちゃう。

そんな姿を想像してるうちに、寮のインターフォンが鳴って四葉さんが騒ぎ出す。

環「来た!」

紡「あ、じゃあ私が対応しますね」

さり気なく財布を持って立ち上がる紡ちゃんに待った!をかけて財布を鞄に入れさせ、代わりに私が財布を持って紡ちゃんと玄関へと向かう。

『私が払うって約束、忘れちゃダメだよ?』

紡「ですが···」

『細かいことは気にしないの!今日は私の奢り!ね?』

まだ何かを言おうとする紡ちゃんに、ケガでお世話になってるお礼を兼ねてると言えば、渋々ながらも納得してくれた。

紡「すみません、お待たせしてしまって」

ドアを開けた向こう側には、お蕎麦屋さんが立っていて。

「いつもご贔屓にして頂いてありがとうございます」

ニッコリとしながら言う···楽がいて。

『えっ?!』

楽?!

「···なにか?」

紡「ね、愛聖さんも驚いたでしょう?本当によく似ていらっしゃいますよね、TRIGGERの八乙女楽さんに」

あ、えっと···楽、だよね?!

「そうですか?よく言われますけど、あんなイケメンじゃないんで、でも似てるとか言われると悪い気はしませんね」

あ、いや···楽、だよね?

しかも自分でイケメンとか言う普通!!

あ、まぁ···楽は言うか···?

じゃなくて!!

紡ちゃん···ホントに気付いてないの?!

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