第2章 7つの原石
万「今日はみんなに会ってみて、どうだった?」
事務所からの帰り道、寄り道したスーパーで食材を選びながら万理が今日の事を聞いてくる。
『みんないい人だったよ?個性豊かなのもそうだけど···こう、キラキラしてて眩しいっていうか』
小鳥遊社長がドアを開けた時に感じた眩しさは、彼らのものだったのかと思うけどほど、みんなそれぞれに輝いていて。
万「それは良かった。彼らはみんな素直でいい子達ばかりだからね。早くデビューする為に、いつも一生懸命頑張ってる」
「そう、みたいだね···」
あの後私は、みんながダンスや歌のレッスンをするのを端で見てたから。
中でも七瀬さんの歌唱力には驚いたけど、四葉さんもダンス上手だったし、他のメンバーだって一生懸命だった。
『そう言えば、ナギさんって···いつもあんな感じなの?』
万「あんな感じって?」
『フレンドリーで、スキンシップ多め···というか。苦手なタイプではないけど、びっくりしちゃう』
私がそう言うと、万理は彼は外国色が濃いからあれが普通なんだよ、と笑って返す。
万「俺も最初は抱きつかれたりとかして戸惑いもあったけど、もう慣れたし。そのうち愛聖も慣れるよ」
慣れる···かな。
今日だけで至る所に唇を寄せられアタフタしちゃったのに、慣れるんだろうか。
あまりのスキンシップに戸惑っていると、三月さんや逢坂さんが間に入ってくれて止めてくれたりしてたけど。
そんな二人にもナギさんはニコニコしながら抱きついたりしてて、仲良いんだなって思った。
万「よし、買いたいものは揃った。愛聖は何か欲しい物とか、必要な物とかある?」
『特には···あ、りんごだ···ね、ひとつ買ってもいい?』
万「いいよ。夕飯の時にウサギさんにしてあげる」
···そこまで子供じゃないんだけどな、と笑いながらカゴにひとつ入れた。
『あ、そうだ。これの会計、私が払うから』
万「そんなの気にしなくていいの。今は一緒に生活してるんだからさ。それに洗濯洗剤とかシャンプーとか、愛聖買い足したでしょ?」
『だって切れかけてたし、私がいるから減るの早いのかな?って』
万「いいんだって、ホントに。だから愛聖は何も気兼ねなくしてて?」
万理が仕事に出てる時、洗濯や掃除などは私がしてたけど。