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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第10章 不測の事態


❁❁❁ 百side ❁❁❁

「ユキ!ちょっと聞いて!!」

テレビ局の廊下を全力ダッシュした勢いで楽屋のドアを開ければ、ソファーに丸くなってうたた寝をするユキが顔だけをこっちに向ける。

最近ユキ···前にも増して、寝てばっかりいる気がする。

家で仕事し過ぎなんじゃない?って言えば、そんなに根詰めてはないって言い張るし。

もしかしてまた···嫌な夢を見るから寝てない、とかなのかな···

前にユキん家に泊まった時、凄くうなされてたし。

それがあまりに辛そうで見てられなかったから揺り起こせば、嫌な夢を見ただけだから心配いらない、いつもの事だからって。

そう言ってユキは、暫く自分の手を見続けてて。

···嫌な夢って、いったいどんな夢なんだろう。

千「モモ、話は?ないなら寝るけど」

モゾっと動いてブランケットを頭から被ろうとするユキに近付いて、寝るのは待って!!とその手を掴む。

「いまそこのトイレでバッタリ龍と会ってさ···」

千「龍之介くんとトイレで?···比べっこでもしてショックを受けたとか?」

ちょっ、比べっこって···なにを?!

「そうじゃなくて、龍から聞いたんだけど···この前、マリーが大変な目になってたって!」

そう告げるとユキはガバッと起き上がり、1度顔を押さえて落ち着いてからオレを見た。

急に起き上がったりするから、クラクラするんだって。

千「モモ、愛聖が大変な目にあったっていうのは、なに?」

「それ!それなんだけどさ!」

龍から聞いた話をそのままユキに話すと、ユキはどんどん表情がなくなっていって、やがて機嫌の悪い時のユキの顔になった。

千「やられた···まさかそんなつまらない事をやるとは予想外だった···」

「じゃあ、それをやったのって···もしかして···?」

千「そうね···間違いないだろ。それで、その後はどうなった?」

「小鳥遊プロダクションの事務員で仕事っぷりがいい人がいたらしくて、その人があっという間に事態を落ち着かせたらしいってトコまでしか聞いてない」

千「分かった。今日の夕方、愛聖はこっちの事務所に来る事になってるから、話はその時だ」

あぁ、ユキとマリーが約束してた、あれか···

さすがに本人を見れば、いろいろと分かるからその方がいいよな···






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