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〖 IDOLiSH7 〗 なないろパレット

第10章 不測の事態


熱いシャワーを浴びているのに、冷たくなっていく指先の感覚にグッと手を握り締める。

伸ばした髪から流れ落ちる雫が···赤く···染まって見え息が止まる。

「や、めろ···やめてくれ!」

百「ユキ?!どうしたの?!大丈夫?!」

思わず叫んだ僕に、ドアの外からモモが慌てた声で呼びかける。

モモ···?

そうだ···いまはモモが、僕のパートナーだ。

百「···ユキ?」

シャワーを止めて、ドアを開ける。

「大丈夫だよ、モモ···でもちょっと、ゴメン」

モモの顔を見た途端、手繰り寄せるようにモモの体を腕に閉じ込める。

百「え、ユキ?ちょっと?!」

モモの存在が、僕の存在を確かな物へと感じさせてくれる。

僕をここまで連れて来たのは、他の誰でもない···モモだから。

「愛してるよモモ···キス、してもいい?」

百「よく分かんないけど、ユキがそうしたいなら···いいよ」

まるで初めてのキスを待つようにギュッと目を閉じるモモを見て、小さく吹き出す。

百「あ、あれ?もしかしてウソ?!」

「そうね···」

百「オレ今、凄い勢いで腹括ったのに?!」

ユキひどーい!と言いながらも笑うモモを見て、その顔に手のひらを添えて頬に口付ける。

「いつか···世界に2人だけしかいなくなったら、そういうのはモモだけだって、本気で考えるよ」

いたずらに笑って、バスタオルを掴む。

「モモ、作戦会議をしよう」

百「作戦会議?なんの?」

「もちろん、僕たちのおやゆび姫を守り抜く為の···だよ」

髪を拭きながら言えば、モモはなにかを察して顔を強ばらせる。

身支度をしながらも、さっきまでの出来事を全てモモに話せば、モモは万の部分に瞳を揺らしては瞬きを繰り返していた。

「僕たちには僕たちの、守り方がある。モモ···反撃開始だよ」

百「だね!オレたちのおやゆび姫を易々とカエルになんて渡さない!」

「そうね···」

そう言ってモモと2人でこれから先の愛聖のスケジュールと自分たちのとを確認する。

あの女がどう動き出すかは分からない。

だけど···僕に刃を向けた罪がどれだけ重いか。

じっくり分からせる必要はあるからね。






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