第10章 不測の事態
❁❁❁ 百side ❁❁❁
「そうなの?環が教えてくれてんの?」
撮影の休憩時間にマリーに電話してみれば、ちょうど今日は仕事じゃないんだって言ってて。
じゃあなにしてたの?なんて聞けば、あのマリーがスケボーの練習してたとか言うから、オレはびっくりさんだよ!
しかもあの環が教えてくれてるとか言うから、そこはちょっと···妬けちゃうけど!
ー 百ちゃん聞いて?あのね、最近は四葉さんも学校あるし、MEZZO"としての活動もあるから···実際はあんまり直接会えてなくて ー
あ~···あのふたり、ちょくちょく局で見掛けるからなぁ。
「ねぇ、マリー?もしかしてさ、環がいないと寂しいとか?」
もしそうだったら、オレが駆け付けてギューって抱き締めてあげるのに。
じゃ、なくて···コホン。
スケボー教えてあげる先生をやってあげるのに!
ー 寂しいとかは、大丈夫。四葉さんが学校に行ってる時は、代わりに逢坂さんが教えてくれるから ー
そっちかーい!
ー 逢坂さんって、物静かな感じなんだけどスケボーとかヒョイって乗れちゃうし、教えるの上手だし、凄いなぁって思ったんだぁ ー
「そ、そっか!壮五って大人しいイメージだったけど以外だなぁ···アハハ···」
···ハァ。
ー 四葉さんと逢坂さんに教えて貰ってから、結構ちゃんと乗れるようになって来たんだよ?だから監督にも、頑張って乗れるようになるからスタント依頼するの待ってって言ったの ー
「そうなんだ?オレも応援してるから、早くちゃんと乗れるようになるといいな!あ、でも···ケガだけは気をつけてね?」
分かってる!と元気な返事が来て、オレも休憩時間なだけだから、また連絡するよ!と返して通話を切った。
環に、壮五···かぁ。
いいよな、あのアイドリッシュセブンのメンバーたち。
マリーと同じトコに住んでるって聞いてるし。
毎日マリーと会えるとか、羨ましいっての!
ユキんちでまた、お泊まり会したいなぁ。
オレも癒しが欲しい!
ユキが面倒がったら、オレんちに呼んじゃう?!なんて考えてると、楽屋のドアが思いっきりバーン!と開けられて、持っていたペットボトルを落とした。
振り向けばそこには、鬼の様な顔をした···ユキが立っていた。